2018年第2回目の新入社員リポートは、ポスプロ技術部に配属になりました岡田が担当いたします。私は学生時代には放送部に在籍しており、その中で映像に関する"技術"に魅了されました。日進月歩で進化していく映像技術を追いかけていく中で、この業界で働きたいと思う気持ちが強くなりました!
私の現在の配属先はポスプロ技術部ですが、入社時は実は制作技術部のVEを希望していたのです!
「VEになって様々な撮影機材に囲まれて仕事をする」というのが夢だったのですが、現在はポスプロ技術部の機材に囲まれながら仕事をしています。結果的には当初の希望通りではなかったのですが、決して残念がってはいません! 最近のポスプロ機材は、撮影機材よりも更に進化するスピードが早く、従来よりも機能が充実し高性能になって作業時間の短縮に寄与しています。
現在ではパソコンをベースとしたノンリニア編集システムが普及し、機能の追加や変更がより簡単に行えるようになり、それらを操作する側にも柔軟性が求められています。
パソコンネイティブ時代に生まれた私は、その強みを見抜かれ??、4Kなどの高精細を扱う最前線であるNiTRo SHIBUYAに配属されたのです! しかしながら現在はNiTRoを離れ、他社に出向いて4K/8Kのお仕事をさせていただいております。
私はNiTRoではポスプロに関する業務をしていましたが、現在はプリプロからポスプロまで全てに携わることができています。そこで今回は少しではありますが8K制作に携わった経験をもとに、高精細に関して自分が感じたことを紹介したいと思います。
■8Kでの撮影
スタビライザーと8Kカメラ |
8Kは現在放送されている2Kに比べ16倍もの解像度を持った映像規格です。解像度が高いと、その分情報量も多くなり、データ量が膨大になってしまいます。
4Kや8Kの技術の詳細はこちらをごらんください。
さて、8Kでの撮影は2Kに比べ大変だと思う点がいくつもあります。8Kは大画面で見ることが前提のため、映像の"揺れ"が生じてしまうと、映像を見た際に酔ってしまう場合があります。
三脚を使用する撮影であれば揺れが生じないため、カメラ単体のみで撮影を行っても大丈夫なのですが、手持ち撮影など動きを伴う撮影では、揺れを生じさせないように防振するためにスタビライザーという機材がほぼ必須になっています。
また、同時に8Kでは、フォーカス(ピント合わせ)が非常にシビアです。そのため、カメラマン以外にフォーカスを合わせる助手が必要で、その人の専用のモニターも必要になります。
そのため、撮影を行う際にはカメラだけでなくスタビライザーやモニターなども同時に準備するため、機材量が多くなっています。
■8Kでの編集
編集を行うためには、撮影された映像のデータをPCに取り込む作業から始まります。使うのは写真左側の小さなメディアですが、これで1TBの容量があり、お値段なんと50万円!!
まずこのメディアに入っている撮影素材を、保存用のHDDにコピーします。コピーには「専用のコピーソフト」を用いて撮影メディアからHDDへコピーします。
コピーが終わったら、一旦従来の2K画質に変換して一般的な編集ソフトでオフライン編集を行います。これは現在のハードウェアでは、負荷が掛かり8K映像をそのままサクサク編集できる環境がないためです。オフライン編集後は、いよいよ8Kオンライン編集。オンライン編集では「色調整」や「エフェクト」「CG合成」「テロップ入れ」などを行います。オンライン編集についてはこちらをごらんください。
8K編集の流れ |
■最後に
2Kでの経験も少ない私には、単純な比較しかできないのですが、4Kや8Kは作業にかかる時間も増えて大変です。その中で少しでも負担を軽減しようと様々な取り組みがなされています。特に現在は8Kオンライン編集の環境が限られているので、編集機のマシンの性能が向上すれば従来の2K編集に近い環境で編集が出来るようになると信じています。
私はポスプロ技術部所属ですが、NiTRoは放送技術全般を担っているので撮影や準備段階であるプリプロ部分にも携わることが出来ています。そのため、全体のフローを通じて、相互を理解することで今後のポスプロに活かしていきたいと考えています。
もともと機械いじりや新しいもの好きだった私は、4K・8Kの最新機材を実際に手にして操作することができ、大変やりがいを感じています。
NiTRoには、新しいことにもどんどん挑戦できる環境があるので、これからも、4Kや8Kの高精細な美しい映像をお届けするために頑張っていきます!
筆者 |
Freshman's Report2017 Vol.11 | Freshman's Report2017 Vol.13 |