生田スタジオは神奈川県川崎市北部の緑豊かな丘陵地帯にあり、主にドラマの制作を行っています。
NiTRoは生田スタジオの管理と技術業務を請け負っています。そこで今回はドラマの編集業務について、ポスプロ技術部に配属された迫がお伝えします。
■ ドラマ編集の流れ
ドラマの編集は大きく分けてオフライン編集とオンライン編集に分かれています。
オフライン編集とは、撮影されてきた素材を編集作業に利用できるように取り込むデジタイズののち、台本に合わせてOKテイクをつなぎ、決められた放送時間に収める状態までに作品を作り上げる作業です。オフライン編集が終わった状態の作品は「白完(しろかん)」と呼ばれますが、これはスーパーなどが入っていない、真っさらな状態での完成版という意味です。
そのあとのオンライン編集では作品の最終仕上げを行う作業を行います。
オンライン編集ではCG加工された素材の入れ込みや、演出に沿った色の調整(カラーコレクション)を行い、作品をより良いものに仕上げていきます。
生田スタジオ内の編集室 |
編集が終わると音を仕上げるために作業をMAに引き継ぎます。
MAでは素材の音を聴きやすく調整する「整音処理」や音楽、効果音を加えてミックスし、オンエアテープに音を戻して完成原版として納品します。
私たち技術スタッフにとって納品における最も重要なことは、納品テープにNGが無いことですが、生田スタジオでは約3年、ずっとNGなしに納品を続けています。
これからも納品テープにNGを出さないためにも、納品前に様々なチェックを入念に行っていきます。
編集画面 | テロップ作成画面 |
■ ドラマのPR編集
みなさんもCMの途中などに放送されるドラマのPRを一度は見たことがあるのではないでしょうか。
あのPRも生田スタジオで編集を行っていますが、編集するPRの秒数が3秒、5秒、12秒、15秒・・・と、とにかく作る種類が多いです。
PRそのものの秒数は非常に短いのですが、そのわずかな時間の中でも、視聴者の皆様に興味を持ってもらえるように画や音の組み合わせ、テロップの煽り文句など試行錯誤をして編集を行っています。
このようにPRの編集では、限られた時間の中で「どんなことを、どれだけまとめて伝えるか」、という本編編集とはまた別の技術が求められます。
■ 私の業務
私は今、編集アシスタントの業務についています。アシスタントの主な仕事はデジタイズやPRのテロップ打ち、本編のエンドクレジットの準備などです。
アシスタントとして、メインの編集マンが作業を円滑に進められることを一番に考えて作業しています。
私は最近ではPR編集のアシスタントに携わるようになりました。アシスタント業務をしている中で、「テロップを作成するときには、少し工夫するだけで読みやすさや映像への馴染み方が全く違う」ことに気がつきました。
PR編集に関わるまではテレビを見ているときでもテロップをあまり気にしたことはなかったのですが、最近はバラエティ番組のテロップなどを意識して見るようにしています。
また編集室の空き時間を使い、実際の編集機を操作してトレーニングを積んでいます。
生田スタジオでは編集システムとしてAvid Media Composerというソフトウェアを使用しているのですが、私は入社してから初めて操作したので、まだまだ扱いに慣れていません。
一人前の編集マンになるためにも、今は地道なトレーニングを続けて、少しでも早く編集機に慣れることが目標です。
■ さいごに
いかがでしたでしょうか。ドラマ編集について、少しでもご理解いただけたら嬉しいです。
私はドラマを見ることが好きで、面接の時からドラマの編集を希望して入社し、最初の配属で希望を叶えることができました。これはとても幸運なことであると同時に、自分の力が試されているのだと感じています。
せっかく希望を通してもらえたのですから、ただ喜ぶばかりではなく、人一倍努力して、知識や技術を身につけていこうと思います。
私はまだまだ未熟者ですが、編集についての技術と知識を身につけ、早く一人前の編集マンになり、ドラマ編集の戦力になりたいです。
これからも勉強しなければならないことばかりですが、一生懸命頑張ります!
筆者 |
Freshman's Report2017 Vol.3 | Freshman's Report2017 Vol.5 |