REPORT 現場リポート
Freshman's Report 2024 Vol.6「制作技術センター 制作技術部 VE」
■ 初めまして!
Freshman's Report 第6回は制作技術部VEの金子がお送りします!
私は小学生の時、放送委員会に所属したことをきっかけに放送業界を志し、大学はメディア学部に所属して映像をメインに学び、大学祭や地域のイベントなどの配信をよくやっていました。大学内では常にカメラを回していたため、友人からは「人間ドライブレコーダー」などと言われておりました。
就職活動の頃はVEのことをよくわかっておらず、カメラマンを目指していましたが、様々な研修を受けていくうちにVEを志望するようになり、7月からVE配属となりました。
そんなVE1年目の私が今どんな仕事をしているのかをご紹介します!
■ まずはCAから!
VE配属にはなりましたが、制作技術部としてまずはCA(カメラアシスタント)の業務につきます。
Freshman's Report第1回の伊藤と同じように、中継でケーブルを捌いたりENGでは3chミキサーとガンマイクで音を収録したりしました。VEと関わりのある業務としては、中継現場でのカメラ調整があり、CAの私は出先でカメラに向かってグレースケールチャートを持ちました。CAの立場からすると、持っている間はじっとしていなければならないため、時間が長いとだんだん疲れてしまいます。VEになると中継車側で調整する立場になるため、CA期間中にしかできない貴重な経験となりました。
中継車にいるVEを想像しながらグレースケールチャートを持ちました
■ 現場は高いところ!?
VEとしての業務では、時として高いところに上る事もあります。
高層ビルの屋上や鉄塔の上、イントレ(足場)の上、そして山の上…
時にはヘルメットを被り、フルハーネスの安全器具を装着し、背負子に機材を積んで長い螺旋階段をひたすら登り…
なぜそんなところにいるかというと、電波を受信したり送信したりするため!
VEといえば、サブコンや中継車の中でカメラ調整をしているイメージをお持ちの方が多いかと思います。私も配属されるまではそう思っていました。しかし、VEの仕事はそれだけではなく、「マイクロ伝送」という電波を扱う業務もあります!
この記事をご覧の皆さんは、マラソンや駅伝の中継をご覧になったことはありますか?よくランナーの前を移動中継車が走っていますが、その映像がどのようにテレビで放送されるのかというと、中継車から出た電波をビルの屋上や鉄塔の上などで受信し、さらにその映像を本社に送信して放送する形をとっています。1年目の私が担当するのはその「受信」の仕事です!
社内では「MR(=Micro Receive)」と呼ばれています。中継車は常に移動しているため、アンテナもその方向に向け続ける必要があります。そして電波は遮蔽物があると届かないため、見通しの良い高いところで受信するというわけです。カメラマンに比べて目立たない仕事ですが、電波が受からなければ放送することはできないため、かなり重要な役目です。
私は24時間テレビのチャリティーマラソンで初めてこの業務を担当しましたが、自分の受けている電波を通じて全国に生中継されていると考えると責任を感じました。2日目の夜、「絶対に電波を途切れさせない!」という意気込みで雨にも負けず、電界強度の数値を見ながらしっかりアンテナを中継車の方向に向け続け、無事に生放送が終了。終わった後は一息つく間もなく、雨に濡れたアンテナやケーブルを拭いて撤収作業をするのでした。
都内のビル屋上
雨に打たれながらアンテナを向け続けました
その後も「箱根駅伝予選会」や「全日本大学女子駅伝」の生中継で同様にマイクロを担当し、年明けの箱根駅伝では更にレベルアップをしてヘリコプターからの電波を受信する重要なポジションを担当する予定です。1年目でいきなり責任重大な任務となり、すでにドキドキしています。
このマイクロ業務は、日本テレビの局直系の技術プロダクションであるNiTRoだからこそ経験できる仕事です。電波に興味がある方は是非VEを志望してみてください。
ちなみに私は数学や物理が苦手ですが、それでも仕事はできているので文系の方もご安心を!
まるでバズーカのようですが、移動中継車からの電波を受けるアンテナです
周波数帯によってアンテナの種類が違います
■ 最後に
今回はマイクロ業務のことを中心に書きましたが、これ以外にもたくさんの業務があります。
NiTRoは日本テレビの番組だけでなく、インターネット配信番組や音楽番組も多く手掛けており、覚えることが多くて大変ですが、今後は様々な現場で活躍できるVEを目指します。
そして現在映像業界ではMoIP(=Media over IP)やAIなどの新しい技術が続々と登場し、変化を続けています。私は従来の方法にとらわれず最新の技術を取り込み、時代の変化に適応できるVEになります!
高所作業車の上でアンテナを振る筆者