REPORT 現場リポート

Freshman's Report 2017 Vol.9 「ドラマVE」

2017.12.13
制作技術・報道技術

■ 皆さん!こんにちは!
私はドラマがとにかく大好きで、放送されているものは録画して全て見てきており、私自身がドラマから多くの影響を受けてきました。見ているうちに、いつしか私自身がドラマ制作に携わり、色々な方に影響を与えたいと思い始めました。
NiTRoに入社してからは、とにかく「ドラマがやりたいです!」とアピールし、念願が叶い生田スタジオに配属されました。生田スタジオではビデオエンジニア(VE)のアシスタントの「VTRマン」として、ドラマの撮影スケジュールに合わせた勤務をしています。


VEの担当スペースはスタジオサブコンの一番奥です

■ VEの主な仕事内容
VEの仕事というのはあまり目立たないのですが、ドラマ撮影では主に次の3つを行います。

1. カメラの調整
ドラマ撮影の場合、スタジオでは約6台、ロケでは1~3台のカメラで撮影をします。カメラを2台以上使用する撮影では、もし同じ条件下で同じ映像を撮影したとしても、また同メーカー、同型番のカメラを使用していても個体ごとに映像の色や質感にズレがあるため、VEによるカメラ調整が必要です。また一度調整したから終わりというわけではなく、時間経過や温度変化などでズレが生じてきますので、毎日、朝一で調整し、さらに現場でも調整し直します。

2. 撮影本番時の明るさと色調整
撮影本番時にもカメラ映像の明るさと色をオペレートします。撮影時にはそのシーンに合った明るさと色を照明部と連携しながら作り上げていきます。例えば夕方という設定のシーンを早朝に収録する場合は、色調整で少し赤みを足したりしています。ドラマの場合にはシーンを時系列ごとに撮影しているわけではないので、台本を見て前後のシーンとの繋がりや演出意図を考えて色の調整を行います。スタジオでは、調整のためのカメラリモコンやモニターなど撮影のためのシステムが組まれていますが、
ロケなどスタジオ外での撮影ではシステムがないため「ロケベース」と呼ばれる移動可能な簡易的なシステムをVEが組み撮影に臨みます。このロケベースでカメラ調整から映像の収録まで行います。

3. 映像の収録および素材の管理
本番時収録を行います。収録した映像にノイズがないか、映ってはいけないものやフォーカス(ピント)などのチェックもVEの大切な仕事です。

配属間もない私は3.が主な仕事です。
ロケ撮影の場合はメインVEの方が収録を行いますが、スタジオでのセット撮影の際には、アシスタントの私がVTRマンとして収録とチェックを行います。
また、上記以外にもロケ撮影の際には、カメラアシスタントの方と連携し、ケーブルをさばくといったようなカメラのサポートも行います。


スタジオのカメラリモコン

ロケベース


■ 最後に
実際にドラマ制作に携わっていくと、憧れていた世界で自分が働ける喜びを感じるとともに、作り手としての難しさややりがいを感じました。視聴者として見ている分には何気ない数秒のシーンでも、そこにスタッフの作り手側としての思いが詰まっていて、全てのシーンに意図があることに感銘を受け、以前はただの一視聴者として見ていたドラマが、今では違った角度で見えるようになりました。
また、視聴者と作り手側では、同じドラマでも見えてくるものは違いますが、その分2倍楽しめるような気がしてより好きになりました。
まだまだ未熟ですが、これまでの単なる一視聴者ではなく、これからは作り手側としてドラマに携わっていきたいと思います。


筆者


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