■ はじめに
「カメラマンになって、世の中にニュースを伝えていきたい!」と思いNiTRoに入社してはや3年、ついに報道技術センター取材技術部のVE配属となりました。
今回は、新人VEとして感じた「報道の現場」をリポートします!
■ 「報道のVE」とは何か?
「VE」とは通常スタジオや中継でカメラ調整などを主に行う仕事ですが、報道取材のVEは、カメラ調整はもちろんのこと、音声収録、照明、素材伝送(IP伝送)など業務が多岐に渡ります。取材内容に応じて、どのマイクが必要か、どのような照明を使うのかを自分で考えて機材を持って行きます。
■ 配属早々 事件が多発
逮捕の一報で各局が警察署に張り込みます |
7月はとても忙しい月でした。オウム事件の死刑執行、西日本豪雨、文科省の受託賄賂、危険な暑さなど立て続けで大きな出来事が起こり、連日報道職場はバタバタでした。
配属されたばかりの私に出来ることは何もなく、ただその様子を眺めているだけでしたが、「ああ、報道に関わることになったんだな。今までテレビで観ていたニュースが、これからは自分の仕事場になるんだなあ。」と強く感じました。
取材に出るようになると、慣れない現場に四苦八苦。
狭い会議室で他局のVEさんと肩を触れあわせ、汗だくになりながら長く伸ばしたガンマイクを大臣に向け一生懸命に音を録ることもあれば、いつ来るのか・・・そもそも来るかどうかも分からない取材対象者を、何時間も待ち続けることもあります。
記者から、「1時間後のニュースを今撮影した素材を使って放送したい!」と言われた時には、パソコンを使って急いで本社にIP伝送することもあります。
時間も天候も気温も関係ありません。様々な現場、状況に柔軟に対応し、「絶対に撮り逃せない1分1秒」のために必死で頑張っています!
■ 台風取材では
水戸駅にて強風の中、通勤客の様子を撮影中 | |
台風が通過しそうな地域、警報が発令されている地域に行き、状況を伝えるのも報道(NEWS)の仕事です。
8月初旬に台風13号が関東を直撃した際に、私は雨風がひどくなる夜から翌朝までの取材を命じられ、茨城県水戸市に向かいました。
記者とカメラマンでハザードマップを見ながら事前に取材場所をチェックし、自分たちの安全にも十分考慮しながら取材をしました。
現地では、流れが速くなっている付近の川の状況、避難所では天候を考慮して早めに安全避難してきた方々の取材、翌朝は水戸駅周辺で電車の遅延を心配して早めに家を出てきたという通勤客の声を聞くことができました。
台風の取材を通して、視聴者の身を守るための情報をいち早く正確に伝えることが報道の使命であると再認識しました。
■「報道」と聞くと...
お台場の海が一望できるきれいなテラス席で 料理に照明をあてる筆者 |
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「政治」「事件」「事故」「災害」などのイメージが強いと思います。実際に私もそうでしたが、最近のニュース番組は、それだけではありません!
美味しいもの、きれいな景色、最近の流行など、幅広い内容の取材も行っています。
普段は行くことが出来ないような高級中華料理店でアツアツの絶品きのこ鍋や、お洒落なカフェのテラス席でインスタ映えしそうな限定メニューを撮影することもあります。
(撮影後には美味しくいただけることも!)
視聴者に「食べたい!」と思ってもらえるように撮り方にこだわってみたり、キラキラ見えるように照明をいくつも立てたり、とても難しいですが、その分やりがいがあります。
みんなで作り上げた1コーナーを観て、「食べてみたい!」「行ってみたい!」と思って貰えたら嬉しいですね。
■さいごに
配属されてから今日まで大変濃いものだったので、「まだ2ヶ月しか経っていないのか!」という気持ちです。既にたくさんの出来事を経験したような気がしますが、まだまだ未熟です。
毎日、どうすればスムーズに現場が回るのか、カメラマンとしての目で考え、勉強の繰り返しです。
世の中で起こった出来事を映像と音で分かりやすく正確に伝えるという、そんな仕事ができる取材技術部の、新人VEのレポートでした。今後も引き続き頑張ります!
筆者 |