「大迫、ハンパないって!」で日本中が盛り上がったFIFAワールドカップロシア2018。今回、私は現地ロシアでスポーツニュース取材の撮影を担当しました。
現地では毎日、日本代表選手の練習とインタビュー、そして試合前にはサポーターへのインタビューと監督会見、試合中はゴール脇に陣取って試合の撮影、試合が終わった後は選手が記者から取材を受けるための場所であるミックスゾーンでのインタビューなどが主な業務です。
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モルドヴィア・アリーナ |
エカテリンブルク・アリーナ (セネガル戦) |
ロストフ・アリーナ (ポーランド戦) |
現地には日本からのメディアも多く駆け付け、練習日の取材では少しでも情報を得ようと皆必死です。しかしながら代表練習はそのほとんどが冒頭15分のみの公開練習です。限られた時間の中で、より的確な画を撮るため練習前に担当ディレクターと綿密な打ち合わせは必須です。今日の狙いの選手は誰で、どのようなことに重点を置いて撮るべきか毎日確認し撮影に臨みます。とはいうものの毎回打ち合わせ通りに事は進まず、狙いの選手が全体練習に参加せず個別練習をしている場合もあり、そのような時はカメラマンの判断で臨機応変に撮影しなければなりません。
■ 移動距離、ハンパないって!
日本の45倍、世界最大の面積を有するロシア連邦では、その移動距離もハンパありません。
代表選手が各会場へ移動する際には直行便を利用しますが、取材陣はモスクワ経由となるため、移動に半日を要します。
日本代表のベースキャンプ地はモスクワから800kmの距離にあるカザンという街。そこからワールドカップ初戦のコロンビア戦が行われるサランスクまでは片道400km、東京から岐阜くらいまでの距離を陸路で7時間の旅!
しかも、ずっと同じ風景が続きます。
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2戦目からは空路でしたが毎度のトランジットが大変!!
セネガル戦が行われるのはロシア連邦の中央部に位置するエカテリンブルクという街ですが、ここはキャンプ地のカザンから2,100km、稚内から鹿児島くらい離れています。
そして予選突破が掛かったポーランド戦はロシア連邦の南西、カザフスタンに接したヴォルゴグラードという1,600km離れた街。
7月に入って決勝ラウンド初戦のベルギー戦も1,700km離れたロストフ・ナ・ドヌという街。このように移動は毎回1,000kmを超える長距離におよび、それだけでクタクタです・・・。
総移動距離はなんと11,600kmに及びました。
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■ ロシア料理、ハンパないって!
ロシアには定番のボルシチやピロシキなど、仕事の英気を養う美味しい郷土料理がいっぱいあります。特に本場のビーフストロガノフは絶品です。
珍味ではザリガニもありました。カニみそ?が濃厚で見かけによらず意外と美味です。
ただ見かけがやはりザリガニなので・・・私は2匹食べて満足でした。
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■ 最後に
決勝ラウンド初戦はサッカー日本代表史上初のベスト8進出をかけたベルギー戦。日本が2点を先制していたにもかかわらず、後半3点を返されて負けるという劇的な幕切れとなりましたが、多くの興奮と感動を与えてもらいました。特に乾貴士選手が2点目のゴールを決めた瞬間は、撮影しながら鳥肌が立つほどの感動を覚えました。
またゲームが終了した時は、まさかあのようなかたちで終戦を迎えるとは考えてもいなかったので、何を撮るべきか困惑してしまいました。
それでも現場にいるからこそ感じる会場の熱気、そして落胆、そのすべてが大きな財産であり、私にとって「ハンパない至福の時間」となりました。
これからも日本中を熱狂させる瞬間を多くの方に届けられるカメラマンとなっていきたいです。
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筆者 |