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女子アイスホッケー 「スマイルジャパン」中継記!?

2018.02.16 制作技術

2月14日は、アイスホッケー「スマイルジャパン」グループリーグの生中継でした。
惜しくも、すでに決勝トーナメント進出を逃してしまっていた、「スマイルジャパン」の愛称で人気のアイスホッケー女子日本代表チーム。
しかしオリンピック初勝利のかかるグループリーグ第3戦は、直前に決定した「韓国・北朝鮮南北合同チーム」が相手。何よりも(?)力の入る戦いです。

試合の行われる「Kwandong Hockey Centre(関東ホッケーセンター)」は、氷上競技のほとんどが行われる江陵(カンヌン)オリンピックパークから6kmほど離れており、光回線や高速インターネット回線などの中継インフラが確保できなかったため、前回リポートしたMSATを使用してキャスターの顔出し中継を行うことになりました。
中継ポイントは、なんとホッケーセンターから道路を挟んだ空き地
この場所のオーナーさんは日本語が堪能。当日も「頑張って!!」とお声をかけていただき、飲み物の差し入れもいただきました。

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中継ポイントの空き地・奥がKwandong Hockey Centre

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空き地のオーナーさん 差し入れていただいた飲み物で暖まりました

試合当日、北朝鮮の「美女応援団」が会場入りするときには応援団を鼓舞する方々が待ち構えるなど、試合会場の周囲は異様な雰囲気。やはり隣のライバルである日本との戦いは特別なのかもしれません。

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会場となるホッケーセンターの周りの様子


一方で、我々SNG中継班は、試合とは別のところで自然との戦いを強いられることになります。
それは突風です。
今回のオリンピックではスキージャンプやスノーボードなど、いろいろな競技で強風による競技の遅延や延期が余儀なくされていますが、我々もその影響を受けることになりました。
この日は朝から風が強く、時には台風並みの突風が吹き荒れました。日本では春一番が吹いたとか...。

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突風で砂塵が・・・ アンテナを支える筆者

そこで我々はMSATが風で動かないように、アンテナの土台に重しを載せたり、土台を30kgほどの予備機材とバンドでつなげて固定したり、自らアンテナを抱えてアンテナ方向が変わらないように支えたりなど、あらゆる手を尽くしつつ、リポート中継のギリギリまで風がやむことを願いスタンバイしました。
しかしやはり自然に逆らうことはできず、出演する荒川静香キャスターと桝アナウンサー、そして中継スタッフの安全を考慮して会場外からのリポートを断念することになりました。

また江陵(カンヌン)オリンピックパークの近くにある別の中継ポイントでも、頑丈に養生していたはずの機材保管用テントが大変なことに・・・。
この日の江陵地区には突風警報が出ており、オリンピック会場の一部も閉鎖されていたようです。
こんな状況もあるのが、屋外での中継なのかもしれません。

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江陵中継ポイントの惨状 スマホに届いた緊急速報(突風警報だそうです)

私の所属する報道技術・中継班は、台風中継や災害地での中継などで危険を伴うことも多くありますが、オリンピックの中継でこんなことに遭遇するとは・・・。
安全第一で仕事をすることは何よりも大事なことなのだと、改めて感じました。

というわけで、会場の外から試合の興奮を直接リポートでお伝えすることはできませんでしたが、試合結果はというと「4-1」で日本がオリンピック初勝利!!!
残された順位決定戦をすべて勝ち抜き、「スマイルジャパン」の凄さを世界に見せてほしいです。

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突風対応に疲れ果てている筆者(左)