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ニューヨークカメラマン日記 Vol.10

2018.02.09 制作技術

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季節は冬ですが、フロリダは25℃を越える気温。ニューヨークとの寒暖差で体調を崩しそうです。
海やプールに入りたいくらいですが、今回はそんな気持ちを吹き飛ばすような取材が出来ました。

■スペースX社のファルコンヘビー打ち上げ
日本は平昌オリンピックで盛り上がっている中、アメリカではロケットに盛り上がりました。

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1960年代のアポロ計画発動時に建設され、その後も数多くのスペースシャトルを打ち上げたフロリダ州のジョン・F・ケネディ宇宙センター
スペースシャトルは既に退役してしまいましたが、アメリカの民間会社であるスペースX社が、現役最強といわれる「ファルコンヘビー」というロケットのデモ打ち上げをこの場所で行いました。
ファルコンヘビーは打ち上げに使う補助ロケット(サイドブースター)を再利用するなど、今までのスペースシャトルなどとは違う特徴があります。

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前日にロケットの近くで撮影  

今回はまだ試験段階なので失敗する可能性もある中での打ち上げでした。
あれが宇宙に行くのか.....
撮影していても実感は湧かず、遠くで見ているときには、宇宙関連施設などに展示されているロケットと変わらない印象でした。
広大な土地に立っているので最初は小さい印象でしたが、カメラでズームすると作業をしている人が見え、大きいものとして認識できました。
「こんなに大きな物が宇宙に行けるのか!」と感じました。

 


■打ち上げ当日の朝

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翌日の朝。プレスセンターに行くにはまだ時間があったので、近くの公園に行ってみました。
打ち上げ予定時刻は午後なので、「さすがに朝から打ち上げを待っている人は居ないだろう」と思っていましたが、午前8時過ぎには沢山の人が集まっているではないですか!
聞いてみると朝5時から来ている人も....。
恐るべき情熱!
その後私はプレスセンターへ向かいました。

 


■そして打ち上げ!
アメリカ東部時間 2018年2月6日15時45分 ファルコンヘビーが打ち上げられました。

すごい...」の一言。
地面が揺れ、バリバリ!!と轟音を鳴らし、目が痛くなるほどのオレンジ色の炎が眩しかったです。
撮影している最中はファルコンヘビーに向かって、「爆発するな、宇宙へ行けー!」と応援しいている自分がいました。

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今回の場合は打ち上げだけで終わりではなく、サイドブースターがすぐに地球に戻ってくるので、それを撮影しようと一生懸命探しました。一瞬二つの光が見えましたが雲で見失ってしまい、再び気づいた時には着陸の時でした。二つのブースターが無事地上に戻ってきたのを見て、技術の進歩に驚きを感じました。

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ロケットには「ダミーの荷物」としてスペースX社のCEOが所有する自動車を乗せて打ち上げられました。
この写真は合成ではありません。
ファルコンヘビーで打ち上げられた車に付けられたカメラで撮られた動画です。
地球と車。普通ではありえない組み合わせで感動です。

 

宇宙。
とてつもなく遠く、自分とは関係ないと思っていた場所ですが、「わずかながら身近な存在になったかな」と思える取材でした。

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