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スタジオの無いサブコン??

2017.08.10 制作技術

■ 報道サブコンの構成
汐留日テレタワーの報道フロアには地上波を放送している「ニュース1サブ」、CS・BS放送やインターネット配信向けのニュース専門チャンネルを放送している「ニュース2サブ」、それに加えて今回紹介する「ニュース3サブ」という3つ目のサブコン(副調整室)があります。

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ニュース1サブ ニュース2サブ

■ ニュース3サブとは
170810_03.jpgニュース3サブは基本的に有事対応に特化したサブコンで、通常使われているニュース1サブ、ニュース2サブと比べると、とてもシンプルな作りになっています。ニュース3サブではニュース1サブと連携して番組制作をしたり、番組の素材を作成したりという用途に使われています。通常サブコンはスタジオとサブコンはセットで運用されているのですが、ニュース3サブはサブコン単独で運用するという、特殊な構造になっています。





■ ニュース3サブの運用用途は
現在のニュース3サブの運用用途は、主に地上波情報番組『情報ライブ ミヤネ屋』のニュースコーナーです。スタジオではなく報道フロアに顔出しスペースを作り、東京からの挿入ニュースを行っています。

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ニュース3サブのすぐ横にあるニュース挿入時のカメラと顔出しスペース(リハーサル時)

そのほかに最近の運用事例では、「7月の都議選で日テレニュース24用に使用したL字スーパー加工」、「8月3日の組閣読み上げ画像加工」、「台風中継などで使用する多元中継を一本化する4面マルチ画面加工」などが挙げられます。また生放送以外ではスイッチャーのエフェクト機能を活用し、サブ上げ作業を行うサブコンとしても使用されています。

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① 都議選時のL字加工画面 ② 組閣読み上げ加工画面 ③ 多元中継の4面画面


またスイッチャー卓横には情報カメラの操作パネルもあります。情報カメラとは関東一円に設置されている、通称「お天気カメラ」のことで、地震や火事の時にいち早く対応して、リアルタイムで放送できるように工夫されているサブコンであるといえます。

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情報カメラの操作パネルと、8月3日の築地火災をとらえたスカイツリー情報カメラの画像


■ 人員構成
ニュース3サブの運用にはスイッチャー1名、ミキサー1名で対応しています。一般的にサブではVE(ビデオエンジニア)も付きますが、ニュース3サブはニュース1サブでの操作のため1サブVEが兼務しています。
緊急時などにはニュース1サブスタッフが対応しますが、この4月から報道スタジオスタッフ全員がニュース3サブを運用できるように、ニュース1サブとニュース2サブのスタッフ全員が力を合わせて、ニュース3サブにて『情報ライブ ミヤネ屋』のニュースを放送する体制に改められました。

報道スタジオでは日ごろから有事の際に、いち早く対応出来るよう心掛けています。
今後も技術スタッフ全員が協力して番組つくりに取り組み、ニュース3サブを有効活用し、より良い映像、音声を視聴者の皆様に届けてまいります。

170810_11.JPG 筆者