■ラスベガスへ
今回私は一般社団法人 日本ポストプロダクション協会(JPPA)主催のツアーに参加し、4月22日〜30日までラスベガスで毎年開催されているNAB Showへ行ってきました。
成田からロサンゼルスへは約8時間のフライト。ロサンゼルスからバスに揺られること4時間でやっとラスベガスに到着。気付けば日本を出発してからまるまる24時間が経過していました‥。翌日はいよいよNAB Show見学です。疲労からホテルのベッドに横になって寝ようとしますが‥、寝られません。この後、しばらく激しい時差ボケに悩まされます(泣)
■いざNAB Show会場へ
時差ボケの寝不足状態で会場入り。しかし...噂には聞いていましたが会場の広さに驚愕しました。規模としてはInterBEEが開催されている幕張メッセの3倍以上でしょうか!?
まず、最初に目に飛び込んできたのがGo Proブース。最新のドローンとHero5、スタビライザーがセットになったKARMAがお目見えです。Go Proが初めて販売するドローンということで、人だかりがものすごく、注目されている感が半端ない。価格はもちろん手頃です。
続いて目に飛び込んできたのはドローン業界の雄、DJIのブースでした。Phantom4 Pro、 Mavic Proを初めとした最新のドローン機材のデモンストレーションを行っていました。他にも最新スタビライザーのRonin2が展示されており、こちらも注目度はMAXでした。眠気も忘れてブース巡りです。
さて今年のNAB Showでは、
1. HDR
2. IP
3. クラウド
4. 12G SDI
という、4つのキーワードをよく耳にしました。特にHDRはロサンゼルスで企業視察をしたドルビーシアター、カンパニー3でも積極的に採用されている技術です。
■現実世界さながらの光を視聴者に届けるHDR
HDRに関して今更説明することもないとは思いますが、改めて。
HDRとはハイダイナミックレンジの頭文字を取った映像に記録出来る明るさ情報(輝度)のレンジを拡大する技術です。映像の美しさを決める要素としてフルHDや4Kといった解像度の性能は技術革新を続けてきましたが、HDRでは初めて明るさ情報に手を入れています。
テレビから放たれる光が、実際の太陽を見ているかのごとく眩しさをもたらし始めると、単に情報量を増やす技術だった4Kを遥かに超えるインパクトをもたらします。実際にドルビースタジオで視察したHDR映像は今までテレビの向こう側にあると思えていた映像が、現実世界さながらに見ることができました。
実際にNAB会場においても、多くのブースで4K HDRのワークフローの紹介をしていました。
■スポーツNEWSの伝送が変わる!?
ソニーブースではXDCAM Airを使ったクラウドのワークフローの紹介をしていました。クラウドを使用したワークフローとは?ワイヤレスアダプタをカメラに装着し、撮影された映像を低レゾファイルで自動アップロード。編集者は共有しているクラウドにアクセスして即、編集が始められます。インターネット回線やモバイル回線が繋がる場所であれば、どこでもアクセスが可能になり、行動範囲も無限に広がります。また、モバイル回線やクラウドの利用によりコストの削減にも繋がります。その他、ライブストリーミング制御、GPSを使ったマップビュー、モバイルデバイスによる中継などの付加価値も付いています。このワークフローを活用することで、報道のENG取材はもちろん、野球など、速報性が求められるENG取材での活用が、期待できるのではないかと思います。
映像・放送業界では、4Kよりも先にIP化、クラウドの普及が大きな変革をもたらせています。そして、12GSDIを含めたこれら技術の発展が、4Kの普及にも大きく役立っていくはずです。
■最後に
ロサンゼル、ラスベガスは学生時代の貧乏旅行以来、約20年振りの訪問になりました。今回は機材展中心でしたが、シルクドソレイユなどのエンターテイメントも堪能することが出来て、非常に有意義な視察でした。
アメリカの食事に飽きたらインド料理も激しくおすすめです!