昨年度、新入社員として報道スタジオでの一年間業務を行っていた私が、この4月から新たに制作技術部に配属されました。そして今回、初めて「ゴルフ中継」の現場にカメラアシスタントとして参加しましたので、中継現場リポートをお届けします!
5月4日(木)から7日(日)の4日間、茨城県の茨城ゴルフ倶楽部で行われた女子4大メジャー大会の一つである「LPGAツアー公式戦 ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」の前半ホールを日テレG+で生中継しました!
私自身は実際のゴルフ場でゴルフを生で見ることは初めてだったのですが、きれいに整備された芝生が大きく広がっており、プレーを妨げないよう会場全体でしっかりとマナーが守られている、「紳士のスポーツ」であることを肌で感じました。その中で業務を行うのは、外での清々しい気持ちの反面、初めての現場で緊張感とプレッシャーがありました。
ゴルフ場は敷地が広大で、中継のセッティングは時間がかかります。実際にはなんと3日間かけて準備し、中継できる環境を作り上げます。機材の量も多く、また約1週間通して使用するため、現場にはテントを立てて機材を収納・管理します。休憩時間はこのテントをスタッフベース場として、お弁当を食べたり、コーヒーやお茶を飲みながら次の作業の打ち合わせをします。
プレーを撮影し中継をするためには、カメラから中継車までカメラケーブルや音声ケーブルを引く必要があります。今回NiTRoは前半の1、2、7、8、9ホール担当しましたが、ゴルフ場は広大な上にカメラポジションも多いため、普段のスポーツ中継よりもケーブルを引く距離も長く、合計で5200メートル分となりました。そのケーブルのほとんどは選手やギャラリーに迷惑をかけないように、木などに1本1本吊るして引きます。束になっているケーブルを上げるのはとても重く、スタッフみんなで協力して引っ張りあげます。ケーブルを引く作業は、体力勝負です!しかし、私は初めての経験で腕がパンパンになりました。
ケーブルのセッティングが終わりやっと機材の準備です。カメラをケーブルに結線した後は、ケーブルに断線はないか、中継車まで正しく映像が送られているかといった「カメラチェック」と、カメラポジションでどんな画がとれるかの確認をする「覗き」を行い、ようやく中継ができる準備が整います。
■いよいよ本番当日
ゴルフのスタート時間は朝早いため、前日は近くのホテルに宿泊しました。本番当日は日が昇り始めた早朝5時頃から準備が始まります。カメラアシスタント業務は、本番に必要な機材などの準備、リハーサル、本番でのカメラマンの補助やカメラ調整などになります。
本番直前になると制作スタッフと技術スタッフでの打ち合わせがあります。この打ち合わせでは「注目選手のこのプレーを逃さない」「スコアを伸ばしてきている選手のプレーが欲しい」「この選手のこの表情が欲しい」など、撮影する画や音について打ち合わせし、スタッフ全体で共有します。
■そしていよいよ本番!
本番での私の業務はカメラマンと共に行動し、ケーブルなどが撮影の邪魔にならないようにカメラマンをサポートします。今回の中継では最初のホールの撮影を終えたら、何か所か違うカメラポジションに移動しなければなりません。生放送中での移動で時間がないため、選手・ギャラリーに迷惑をかけないように広いゴルフ場を走り回ります!
前半ホール中継は長いときには約6時間中継し続けます。
■ゴルフ場を駆け回ること4日間・・
最終日の最終組が前半ホールをホールアウトし無事私たちが担当した中継が終わりました。初めてのゴルフ中継業務は緊張もありましたが、プレーする選手の間近で歓声やどよめきが起こるプレーを中継することに携われ、やりがいは大きかったです。
今回、大きなゴルフ中継に参加して、何もないところから中継できる環境を一から作り上げる難しさ、大変さを改めて感じました。リアルタイムで興奮と感動を届けられる中継に携われ、嬉しく思います。中継の現場は、まだまだ分からないことがたくさんあり日々勉強、日々精進です。今回の貴重な経験、反省を今後の現場で活かしていきたいと思います。そして、カメラマンになれるよう一歩一歩前進し、成長していきたいです。
筆者