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スーパースローカメラを導入! 全国高校サッカー選手権・決勝

2017.02.13 制作技術

1月9日の成人の日、埼玉スタジアム2○○2で行われた「第95回全国高校サッカー選手権大会」決勝戦にNiTRoでは、スーパースロー対応の4KカメラHDC-4300を導入しました。

image1.jpgこのHDC-4300というカメラは、4Kカメラとしても使用可能なのはもちろん、HD(2K)で運用することもできます。その場合にはスーパースローカメラとして運用できるのが最大の武器で、スローは4倍速・6倍速・8倍速の3パターンから選択することができます。

これらは撮影する競技に合わせ、「どのスピード感で見せると最大限魅力が伝わるか」を演出担当者と相談し選択します。



今回の高校サッカーでは6倍速で運用し、「ゴール前の選手の競り合い」「躍動感あふれるキックシーン」「高校生の一喜一憂する姿」などを余すことなく瞬間を切り取り、視聴者にお届けしました。

image2.jpgカメラマン的にはセッティングも容易で、操作性も2Kカメラとなんら変わりなく被写体を撮ることが可能で、再生されたスロー映像は、カクツキも無く、滑らかで、早い動きをより鮮明に見せることができました。

実際のスロー映像をご覧頂けなくて残念ですが、この滑らかな動きを例えますと...
今までのスロー映像が、かき氷くらいのザラツキ感だとすると、このカメラのスロー映像は、ソフトクリームのように滑らかでスーっと馴染んでいくような感じです。


このような繊細な映像を取り出すためには、通常のHDカメラとは異なるプロセスが必要となります。通常のHDカメラであればCCU(Camera Control Unit)と呼ばれるユニットを通すことでHD信号を得ることができますが、スローや4Kの信号の場合には、カメラからの信号をまずBPU(Baseband Processor Unit)と言われるユニットにimage3.jpg入れます。

このBPUから、スーパースローや4Kの映像信号などが出力され、EVSというビデオサーバーや中継車の映像システムに入力される仕組みです。
EVSはHDの映像信号やスロー映像、4K映像を一度収録し、それを「追いかけ再生」するための機材で、複数のカメラの映像信号を入力でき、ゴールの瞬間の複数のカメラ映像を即座に再生することもできるものです。

また図にあるHDCU-2500はカメラに電源を供給したり、カメラマンとの連絡回線を構築したり、カメラのコントロールを司る機材です。
さらにこのカメラとBPUを組合せて使用することにより、これから普及が期待されている、「HDR」での4K撮影にも対応している優れものです。

このカメラは昨年の「FIFAクラブワールドカップジャパン2016」でも使用していただきましたが、スーパープレーや選手の表情を余すことなくお茶の間に届けられ、大変好評をいただきました。
これからもサッカーに限らず、野球や体操など様々なスポーツシーンで感動をお届けするスーパースローカメラの映像を、どうかお見逃しなく!

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