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2016年度新入社員 報道スタジオリポート その5

2016.12.19 制作技術

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先月の終わりには、関東でも初雪がみられ、いよいよ冬本番。2016年も終わりに差し掛かっております。新入社員現場リポートも折り返し地点。5回目は、カメラマン志望の鈴木が担当します。


■新NEWS1サブで地上波放送のOAが始まりました

image1.jpg私が業務を行っている報道フロアには、主に地上波番組を扱うNEWS1サブ(通称N1サブ)、主にCS番組を扱うNEWS2サブ(N2サブ)、スタジオを持たないNEWS3サブ(N3サブ)の3つのサブコンがあります。
11月28日より、地上波の報道番組(Oha!4 NEWS LIVE・news every.・NEWS ZEROなど)を制作しているスタジオ、サブコンの機材更新が終了し、新NEWS1サブとしての運用がスタートしました。
今回の更新では、ほぼ全ての機材が新しくなり、番組制作がより効率化されました。
また、NEWS1サブに引き続き、今月にはNEWS3サブの運用がスタートし、更にNEWS2サブの更新工事が始まりました。


■報道スタジオカメラにしかない機材

image2.png報道フロアにある日テレNEWS24のカメラには、右の写真の赤枠に示したように、カメラの前に大きな装置が取り付けてあります。これは、"プロンプター"と呼ばれる機材で、キャスターの手元の原稿と同じ内容をレンズの前に映し出し、カメラを見ながら原稿を読むことができるようにするものです。
「レンズの前に原稿が映ったら、カメラで何も撮れないんじゃないか...?」と思う方もいると思いますので、プロンプターの仕組みについて、説明させて頂きます。

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 ①のように別の場所に設けられた原稿送り台で原稿を写します。
 ②写した原稿をプロンプター下部に取り付けられたモニターで、左右反対の状態で映し出します。
 ③それを上部に付けられた鏡に反射させて、キャスターの目線の真正面に原稿を映し出す。

...といったような仕組みになっています。
プロンプター上部の鏡はマジックミラー(ハーフミラー)を使っているので、レンズの前に原稿が映し出されても、カメラには写り込まないようになっています。

実際にプロンプターを使用しているキャスターの方にお伺いしたところ、プロンプターを使うメリットは、

 ・カメラを見ながら原稿を読むことができる。
 ・キャスターが原稿のどこを読んでいるかがサブコンにいるスタッフにもわかり、
  読み間違いに気づき指摘できる。
 ・原稿が変わった場合には変更した原稿を写すことで、
  キャスターとスタッフに同じ内容を伝えることができ、変更、確認が迅速に行える。

とのことです。
その反面、プロンプターに映る原稿のみを読んでいると、キャスターはずっとカメラを見続けることになり、逆に視聴者に違和感を与えてしまう可能性もあるので、自分の手元にある原稿とプロンプターに映る原稿の両方を使いながら、正しくニュースを読むようにしているキャスターの方もいるそうです。

プロンプターは、テレビだけではなく演説やプレゼンテーションなどでも使用されており、安倍総理を含め、各国の大統領や首脳も使用しています。プロンプターにも手動、自動、アナログ、デジタルなど、色々な仕組みがあり、ジェスチャーたっぷりの迫力あるスピーチが観衆を引き付けているようです。


■さいごに

今回の記事を書くにあたって、技術のスタッフだけでなく、キャスターの方にもお話を伺うことができ、普段とはまた違った目線で機材を見ることができました。
お話を聞かせて頂きながら、今まで気づかなかった視点が多くありました。ニュース番組は、制作スタッフや技術スタッフ、キャスター、それぞれの視点からの意見やアイデアが集まることで制作されていて、チームワークの重要性を痛感しました。
また、機材においても様々な視点の意見やアイデアを踏まえ、状況にあった装置の追加など日々改良や工夫が行われていることを学びました。
これからも、様々な方々の話を聞き、広い視野で技術や知識を吸収し、早く一人前のスタッフになれるように精進していきたいと思います。

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筆者


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