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2016.08.25 制作技術

image1.jpgリオデジャネイロオリンピックの熱狂や24時間テレビに向けて盛り上がる8月中旬、日本テレビ報道局山岳班はひそかに一大イベントを迎えていました。
今年から制定された国民の祝日である『山の日』(8月11日)に、夕方のニュース番組『news every.』で、標高約2,900mの八ヶ岳連峰の赤岳から中継をしようというチャレンジです!






image2.jpg日本テレビは1988年5月、世界で初めて世界最高峰「チョモランマ」山頂からの「大規模な生中継」を成功させました。それに対して報道局山岳班は機動力とコンパクト性が持ち味で、今回のチャレンジには、技術スタッフは必要最低限の7名、山岳ガイド1名、さらに荷物を持って山越えをするプロである歩荷(ボッカ)1名の合計9名で挑みました。
ただ侮るなかれ、今回は「山頂でドローン飛ばして生中継しちゃえ!」という日本テレビ史上初?の試みのため、ドローン班からも2名が参加しています。現場でのリポーター兼ディレクターは、普段はENGカメラで取材している先輩カメラマンが1人で担うことになりました。臨機応変になんでもやるのも報道の強みです。

当日は、私は機材の入ったリュック約20kg分、歩荷さんはさらに重い約40kgを背負って、岩あり崖あり鎖場ありの登山道を5時間ほどかけて頂上まで登りました。その時点で体力はギリギリですが、ここからが本業です。

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まずは生中継で一番重要な「回線」の構築。今回の生中継場所は長野県と山梨県の県境で、ここは本来ならば日本テレビの守備範囲外です。このような場合はNNN系列局に協力をお願いします。

今回はテレビ信州さんにご協力頂き、【現場 → 美ヶ原受信基地局 → テレビ信州 → 日本テレビ】
のルートで中継回線を確保することができました。

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次に「ドローン」です。生中継の時に悪天候のため、ドローンを飛ばせないことも考慮して、あらかじめ天気の良いうちにきれいな景色を撮影する必要がありました。昼間だけでなく早朝の日の出の時間帯にも撮影し、壮大で迫力のある映像を多く撮影することに成功しました。

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image9.jpg満を持して、いざ本番・生中継!! しかし午前中はあれほど良かった山の天気が本番前には一変! 周りは一面真っ白な雲に覆われ、視界が悪くて景色が見えず、ドローンを飛ばすことも出来ませんでした。残念!!





image10.jpg本番では事前にドローンで撮影したご来光の映像、さらに先輩カメラマンのリポート力でなんとかOAをすることができました。

報道に限らずですが、現場は希望通りに進まないことも往々にしてあります。しかし次に何が起こるか分からないからこそ、それに対応していくことが技術の醍醐味であり、報道の真骨頂でもあると思います。


image11.jpg次またチャンスがあれば、山の美しさをライブ映像でお届けして、
その時には自分がレポートできるようチャレンジします。乞うご期待!