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日本にいても体内時計はブラジル時間? 長い長~い夜!!

2016.08.19 制作技術

オリンピックも終盤にさしかかり、日本のメダル獲得数もぐんぐん増えています。
視聴者の皆さまも寝不足だと思いますが、日本のオリンピックスタッフも目を真っ赤にして頑張っています。まさに昼夜逆転、体内時計はすっかりブラジルです。

image1.jpgここはメディア変換という部署にある、略称「リモ・サブ」と呼ばれるサブ・コントロール・ルーム(副調整室)です。リモート(=遠隔地=中継先の意味)からの伝送を受けるサブ・コントロール・ルーム(=略してサブ・コン=副調整室)という2つの言葉を合わせ、更に略して「リモ・サブ」と呼んでいます。
「リモ・サブ」は通常のスタジオとは違い、カメラのあるスタジオフロアを持たず、サブ・コン単独で使用する構造になっており、スポーツ中継の生放送番組などを制作しています。日テレ内には同時2中継を放送できるように2つの「リモ・サブ」が設備されています。「リモ・サブ」の主な仕事は、中継先からの映像・音声に、オープニングや途中の様々なVTRの挿入、データ等のCG表示、テロップの付加、さらにCM出しのコントロール等々、番組を完成形にするための様々な業務です。ビッグイベントであるオリンピック期間中は、2つのリモ・サブに加え、同じ部署にあるノンリニア編集システム、そして編集された映像を送出する「送出システム」もフル稼動となります。

オリンピック開催中にはOAが「てんこ盛り」のような日があります。8月18日(木)もまさにその日で、レスリング女子、バドミントン女子ダブルス決勝、陸上などメダルの期待される競技が続くため、夕方から翌日昼までぶっ通しで業務を行いました。

image2.jpg当日は16時頃に出社してきた技術スタッフが個々に事前準備に取り掛かり、並行して現地との回線チェックを行います。その後、「全体技術打ち合わせ」が行われますが、人が多すぎて誰が何をしているのかパッと見ただけではわからない状況になります。
この日のNiTRoスタッフはサブコンの「スイッチャー」、「ミキサー」等のオペレーターに加え、技術全体の流れを見渡す統括である「TD(テクニカル・ディレクター)」、さらに10種類の競技を編集し、サブコンに向けて送出する「ノンリニア編集チーム」数名で構成されています。


image3.jpgオデジャネイロが朝を迎え競技が始まると、現地からは常時5回線で映像が送られてきます。それらの映像素材を同時に編集するために、ディレクター陣と技術スタッフが一丸となり、瞬時の判断で作業を進めていきます。
放送内容のうちメインとなる競技は生放送なのですが、それ以外にも同時間に行っている競技をわかりやすく伝えるために1分~1分半のダイジェスト版を作る作業を行います。
競技は予定より早く終わるのか、あるいは長引くのかが予測不能なうえ、試合の見どころやメダルの有無や競技の結果を考慮し、あらゆるケースを想定して編集、送出をしなければなりません。
一瞬たりとも気の抜けない作業が長時間続く持久戦です。


image4.jpgスタッフからは「4年後は東京かぁ、はぁ~~~」と長い溜息が聞こえてきそうですが、今回のリオデジャネイロオリンピックが終わった暁には深い疲労感とともに充実感に溢れているはずです。そして4年後、さらにスキルアップして世紀のイベント「東京オリンピック」に果敢に挑むことでしょう。