ある日、会社に一本の電話がかかってきました。
「私、都立葛飾総合高校1年の○○と申します。インタビューを受けていただけませんか?」
NiTRoはテレビの技術会社なのでインタビューは数多く「撮影して」いますが、「受けたこと」はあまりありません。
筆者 「何のインタビューですか?」
高校生 「職業人インタビューです。授業の一環として、自分の興味のある分野で働いている方に、仕事の内容などをうかがいたいんです。」
30年以上前に高校生活を終えた筆者は知りませんでしたが、今の高校には「産業社会と人間」という科目があって、体験学習や討論を通じて職業の種類や特徴などを理解するとともに、勤労の意義について考え、職業人として必要な能力、態度、職業観などを養う学習を行っているそうです。
テレビの技術は「縁の下の力持ち」と例えられることの多い仕事なので、高校生のみなさんに仕事のことやNiTRoのことを少しでも知っていただきたいと思い、インタビューを引き受けました。
高校生のみなさんが集合時間の少し前に到着し、「こんにちは、お願いします」と元気な挨拶がありました。
NiTRoからはベテランカメラマン、若手カメラマン、中堅音声マン、若手ビデオエンジニア(VE)の4名が参加。インタビューは「受け」慣れていないので、少し固めな感じで始まりました。
まずは「どんな仕事をしているんですか?」という質問。
カメラマンや音声マンについては、高校生のみなさんにもイメージできていたようですが、ビデオエンジニアなどは初めて聞く言葉。
「カメラの色の調整をしたり、システムを作っています」
「アイリス調整では...あ、明るさの調整のことですけど」など、わかりやすく説明しようとしても、緊張してつい専門用語も出てしまいました。
「なぜ、この仕事を選んだんですか?」という質問には、回答者全員が「テレビが好きだったから」...まさに、そうですね。
その後も「仕事では何を大事にしていますか?」、「積極性が大事だと考えているのですが、心掛けていることはありますか?」などの鋭い質問が続きます。
などと、回答者もだんだんノッてきます。
最後は「仕事をしていて楽しいことはなんですか?」という質問。
回答者を含めて、NiTRoの技術スタッフ全員が「テレビが好きだからこの仕事を選んだ」といっても過言ではありません。この質問では4人とも「舌」が一番滑らかになりました。
などなど、キリがありません。
「好きな」ことを「職業」にできるって本当に幸せなことかもしれません。
高校生のみなさんも、すごくまじめな表情で聞き入り、深くうなずきながらノートを取るなど真剣そのものでした。
あっという間に、予定した時間が近づいてしまいましたが、インタビューだけで終わってしまってはもったいないです。せっかくの機会なので機材庫に移動し、我々が普段使っているテレビカメラを操作してもらいました。
「思ったより大きくて重い!」
「カメラ担いだらまっすぐ立てないっ」
「私をそんなにアップで撮らないで!!」
など、お互いを撮りあって、盛り上がりました。
短い時間でしたが、みなさん満足していただいたようで、「ホンキでNiTRoに就職したくなったかも」と言ってくれる人もいました。
NiTRoを訪問してくれたみなさんがテレビの技術の仕事に興味を持っていただき、将来、仲間として一緒に働けたら素晴らしいですね。みなさんお疲れさまでした。