・支局とは?
日本テレビ報道局では、関東各県に報道局の出先機関として支局を開設しています。
NiTRo報道技術センターカメラマンの私の担当は「さいたま支局」。
私の他に支局長、中継車TDの総勢3名が業務しています。
さいたま支局では埼玉県を中心に群馬・栃木・茨城など、
北関東で事件事故が発生すると、馳せ参じて一報を取材しOAに追い込みます。
・支局での業務
歳を取ったせいか、朝は目覚ましより早く、6時半には起きます。
まずは朝刊のチェック!
たいていの記事は汐留の日本テレビ本社でチェック済みですが、
新聞は地方ごとに紙面が違い、
その地方に合った身近で生活に密着した内容になっているため、
東京では確認できない記事が載っていたり、事件事故の続報ネタがあったりするのです。
特ダネで他社に抜かれたりしていないか、必ず複数の新聞をチェックします。
主な勤務地は、「埼玉県政記者クラブ」(埼玉県庁)または、
「埼玉県警本部記者クラブ」で、報道機関各社が集まり、
事件の発生や発表事項に神経を尖らせています。
日々の業務としては、埼玉県の議会動向、環境・福祉問題や
イベント取材、事件事故取材などが主になります。
たとえば昨年発生した北関東での大雨被害では、
まずは「栃木県鹿沼市で黒川の氾濫する様子」を中継し、
その翌日、茨城県の常総市へ転戦し、「決壊した鬼怒川の決壊現場最前線へ!」と、
この様に日々飛び回っています。
また、印象深いのは昨年あった、
埼玉県熊谷市でペルー人男性が6人を殺害した事件です。
これは子供2人を含む被害者の方々が、
何の縁もないペルー人男性に特に理由もなく殺害されてしまった悲惨な事件でした。
事件の一報を聞き、現場に着いた私は、
警察による「異常に広い現場保存」を疑問に感じました。
そこで周囲を隈なく探っていると、犯人が被害者の車両を盗み、
さほど遠くない場所まで逃走し、車両を放置していた現場を発見しました。
現場検証を撮影し、自分でマイクロ伝送車を運転して本社に伝送、
昼のニュースのOAに結び付けました。
最終的には他社にも気付かれてしまい、
残念ながら日本テレビ単独とはなりませんでしたが、
他局よりも一番早く放送できました。
このように連日取材が続くのですが、
支局業務では現場取材と同時に、地元ならではの情報取材も行います。
これらは俗に「朝まわり」「夜まわり」と呼ばれていますが、
朝は他社に報じられてしまった情報を警察幹部から裏どり(確認)する為に幹部の元へ赴き、
色々な切り口に置き換えて話を聞きます。
中には幹部の機嫌を損ない追い返される記者、
独自の情報をこっそり確認している記者など様々です。
幹部の一言一句を誤認しないよう注意しながら、頭に叩き込みます。
また夜は、当日の捜査の進展具合や、犯人の様子・供述などを何とか入手するため、
ひたすら幹部の帰りを待ちます。そして翌日の朝へ。
カメラマンとして、日々進歩する取材機材の知識を高め、
他社よりも一歩でも優れた映像を、記者として、一秒でも早く最新の情報を!
さいたま支局員として、慢心することなく日々精進しています。
でも、自然災害や大きな事件・事故は起こらないで頂けると助かるのですが・・・・