NiTRoは、3月8日~9日に開催された"デジテク2016"にて、2つの展示を行いました。デジテクとは、日本テレビ技術統括局主催の放送最新技術・サービスを紹介する放送業界関係者向け展示会で、今回で15回目となります。今回は、8K・HDR・ドローンといった話題性のある展示が多く、来場者も2,600人を超えたようです。
展示①『8K番組制作への挑戦』
1月にNiTRoが技術を担当して収録した『笑点8Kスペシャル』の上映を行いました。内容は桂 歌丸師匠の落語"壺算"とお馴染みの"大喜利"。しかもこの大喜利のお題は全て8Kにちなんだもので、まさに8K専用スペシャルコンテンツになっています。
会場には85型と55型の2台の8Kモニターを用意し、8K超高精細映像を体験して頂きました。そこには、歌丸師匠を始めお馴染みの笑点メンバーの顔のシワ・歯の並び・黒目に映り込む照明のライト、そして着物の質感など、現行放送では映らないものが鮮明に映っていました。あれ!?座布団の上にホコリが...セットのふすまに小さな穴が...とまあ、余計なものまで見えてしまいますが...(汗)
開催前には「なぜあの笑点を8Kで?」というタイトルでネット上で話題になったこともあり、大変多くの来場者がありました。そしてやはり多くの来場者がその疑問を持って来られたと思いますが、実際に会場で8K映像を見て、その映像が持つ迫力に圧倒され、それぞれがその答えを見つけ、納得して帰られたに違いありません。
展示②『NiTRoの4K制作 設備と事例の紹介』
こちらでは、NiTRoの4Kへの取り組みの紹介をしました。NiTRo は、2015年4月に完全4K対応ポスプロ『NiTRo SHIBUYA』を渋谷に開設、また同8月には最新鋭中継車『OB-X』をデビューさせました。これらの4K設備をパネルとPV(4K画質)にて紹介し、これまでに手掛けた4Kコンテンツの一部を65型4Kモニターにて上映しました。
状況が落ち着いてきた4Kと比較し、8Kのコンテンツ制作はまだまだ容易ではありません。放送にしても、ようやくこの夏からBSにて試験放送が始まるといった段階です。今回使用した8Kモニターは85型(シャープ製)でかなり高価な機材です。2020年の東京五輪開催が決まったことで、8K機材の開発スピードはかなり加速していきそうです。
今回、撮影から編集・MAまでの技術全てをNiTRoが担当できたことはこの上ない経験・財産となり、その成果物を皆さんに見て頂けたことは、技術力の高さを十分にアピールできたと思います。
8Kコンテンツとしては前例のない、大人気長寿番組と最先端技術の出会いが生んだ素晴らしい"笑点8Kスペシャル"が、より多くの人達に容易に見てもらえる環境が早く整うことを期待したいですね。