ニュース

入社1年目の箱根駅伝中継

2016.01.21 制作技術

1.jpg

10区間、総距離217.1kmにもおよぶ箱根駅伝
(正式名称・東京箱根間往復大学駅伝競走)が今年も
12日と3日の2日間にわたって行われました。

日本テレビで放送された
「☆SAPPORO新春スポーツスペシャル第92
回東京箱根間往復大学駅伝競走」は、
東京都心のビル街から箱根の山間部までテレビ中継を途切らすことの無いよう、
技術スタッフだけでも
700人以上が携わる大規模な中継番組です。

「箱根駅伝」の準備は、すでに夏から始まっていました。
コースを走り続ける移動中継車の撮る映像・音声を
汐留の日本テレビまで送るため、
鉄塔、煙突、山、
高所作業車など様々なポイントで、
マイクロ波の送受信テスト作業を幾度となく行いました。

Going!Twitterで取り上げてもらいました↓)

2.jpg


そして、入社1年目の私の箱根駅伝当日の担当業務は、
移動車のうち共同カメラ車の
マイクロ業務
(映像・音声をワイヤレスで送信する業務)でした。

そもそも共同カメラ車とは...
先頭を走る選手を撮影するため、
移動中継車・1号車のすぐ後ろを走行する
スチールカメラ
マン用のトラックのことです(写真参照)

3.jpg

移動中継車・1号車よりも選手に近い映像を撮ることができるため、
共同カメラ車の
一部スペースをお借りして、中継カメラを設置、
さらに1号車に映像と音声をワイヤレスで送るための為のシステムを組みます。

8.jpg 4.jpg

本番のセッティングでは、スチールカメラマンのスペースを邪魔しないように、
このシステムをトラックの荷台の狭いスペースに組みます。
激しく動く車体の上で余分な物がなるべく映り込まないよう、
機材やアンテナの設置固定方法や雨対策などにかなり悩みました。

「箱根駅伝は長年の歴史と伝統で
今の中継方法が完璧に作られているのだから、
1年目だからといって、失敗することは許されない。
1つ1つの作業をいつも以上に確実に行いなさい。」

と先輩から言われたことを胸に、結線、機材固定、
さらに機材や電源が故障した際の対応策など、
抜けのないよう十分確認・準備しました。

そして、「箱根駅伝」本番当日...
私は共同カメラ車で撮影した映像と音声を1号車に送るため、
共同カメラ車の荷台でモニターを確認しつつ、
電磁ホーン(ワイヤレスで映像・音声送信するアンテナ)を
1号車に向け続けました。

5.jpg 6.jpg

レース中はまさに、選手と同じ風を肌で感じることができ、
さらに想像よりもはるかに大勢の方が声援を送っていることを知り、
感動しました。

すべてが初めての入社1年目の「箱根駅伝」でしたが、
多くの先輩方のフォローもあり、東京・箱根間で一度も
映像・音声とも途切れることなく、無事に終えることが出来ました。

「箱根駅伝」のような大きなロードレースに携わることができるのも
日本テレビ、そしてNiTRoの大きな魅力だと思います。

この後は2月末に行われる「東京マラソン」のテストが、
間もなく始まります。
入念なテストと準備に裏打ちされたロードレース中継に
今後もご期待ください!

7.jpg(カメラマンと筆者=左)