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第1回 さいたま国際マラソン中継リポート!!

2015.12.01 制作技術

2015年11月15日 (日)
記念すべき、第1回さいたま国際マラソンが、さいたまスーパーアリーナ前を発着の42.195kmで行われました。来年に迫ったリオデジャネイロ五輪の女子代表選考レースということもあり、エントリーした選手は初代女王を、そしてリオへの切符を目指し、さいたまの地で奮闘しました。
その裏で、NiTRoスタッフもその "アツい" 姿を中継すべく、奮闘していました。
第1回の大会ということで、全てを0から作り上げなければならない中継。
前年のノウハウが全く無い中、あれこれと試行錯誤の連続でした。
その中で今回、私が担当していたのは「マイクロ送受信」です。

そもそも「マイクロ送受信」とは何なのか?

「マイクロ送受信」とは、放送局外から映像・音声素材を放送局(今回は、汐留にあるNTV本社)にマイクロ波を用いて伝送し、受信した映像・音声素材を加工して番組として放送するためのものです。
今回のさいたま国際マラソンでは、このマイクロを行うポイントが全部で8ヶ所ありましたが、その中で私は埼玉スタジアム2002のポイントを担当しました。
セット・リハーサルから本番まで、あいにくの雨の中、さらに気温も低く、スタッフ泣かせの中継となりました。

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マイクロを伝送する場所は、電波を送信する関係でほとんどが高い所に設置します。
埼玉スタジアム2002では、観客席の最上段。普段は入ることの出来ない場所で行います。
写真で見ると「そんなところにあるのか~」と驚くかと思います。

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高所恐怖症の人にとっては、あり得ない場所かもしれませんね。
前述の様に今回のマイクロポイントは全部で8ヶ所ありましたが、そこからアンテナを移動中継車に向けることで、映像・音声を受信し、さらに、受信した映像・音声を本社へと送信することで、放送することができるのです。

複数ポイントがある理由は、移動中継車が選手と共に移動することにより、中継車から送出される電波が届かなくなることがあるので、何ヶ所かのポイントで受信して、全コースで映像が繋がるようにカバーをするためです。NiTRoスタッフは今回の放送の為に、何ヶ月も前からマイクロが繋がるかテストを行い、全コースのカバーが出来るのかのチェックをしました。
ちなみに、マイクロの近くには中継カメラもあり、選手が通過する一瞬の為に、カメラは何度もリハーサルしていました。寒い中、少しでも良い画を撮影しようとカメラマンも頑張っていました!

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そして本番が始まると・・・

本当に「あっという間」に選手は目の前を通過し、このポイントの放送は終わってしまいました。
でも、この「あっという間」のために数ヶ月前から何度もテストを繰り返して本番に臨むのが私たちの仕事です。

放送中に映像が乱れることを「フリーズ」と言いますが、これはマイクロの送受信がうまくいかなかった時に起こります。コアスタッフが考え抜いたマイクロプラン、そのプランに応えてアンテナを振るマイクロマン。そんなスタッフの思いが届いたのか、今回の中継ではこのフリーズが一度もない放送にすることが出来ました!

そして、あいにくの雨模様から一転、撤収時には気持ちのいい青空が広がっていました。

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第2回大会では、今年のノウハウを活かして、より良い中継が出来るようスタッフ一同精進して参ります。
さらに、次のロードレースの仕事は正月恒例の箱根駅伝です!
箱根駅伝は、片道のコースが100kmもあり、カメラとマイクロ合わせて50ヵ所近いポイントがあるとても大きな中継番組です。
箱根駅伝は是非!選手の走りと共に、我々技術スタッフの裏側のことも想像しながら見て頂けたら嬉しいです!

以上、第1回さいたま国際マラソンリポートでした。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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             (筆者)