今年4月10日、都内のホテルとアメリカ・フロリダ滞在中の
あるアスリートとの掛け合いを繋いで行うイベントが行われました。
その中でNiTRoは、映像・音声を滞りなく送受するための技術協力を受注しました。
今回は、通常の放送業務とは少し違うノウハウを必要とした現場リポートです。
現場のロケハンの段階で、
会場のホテルにはSNG中継車の駐車スペースが無いことが判明し、
国内での受信体制はホテル内のインターネット回線(IP)を
利用した方法で考えることになりました。
クライアントからは「画質にこだわりたい」との希望もあり、
クオリティ優先で2つの提案をしました。
① 日本テレビIP専用線とSNG利用
→専用回線を借用するということで、画質・安定性ともに良い。
ただし有事の際は急に使えなくなるというリスクがある。
⇒北米~日本の専用線は日本テレビから借用する。
国内IPはNiTRo常設のダークファイバーを使用。
② 3G高速回線を束ねたIP伝送
→公衆IP回線を利用するため容易に接続可能だが、
帯域の保障に脆弱性があるので突然切れる恐れもある。
⇒TVUという伝送装置を借用
どちらも一長一短ありましたが、それぞれの特性をクライアントに説明し、
クライアントと調整することが重要でした。
結果的に両方法のオーダーとなり、
本番時の状況によって切り替える体制で臨むこととなりました。
北米大陸間のSNGやWiFi回線利用ということから
回線品質に多少の不安を抱えての本番となりましたが、
一番心配していた遅延量は3秒程でした。
これは放送で使われるSNG伝送のおよそ倍近い時間ですが、
リハーサルで掛け合いテストを行った結果大きな違和感はなく、
クライアントも満足されたようで安心しました。
TVUの方が画質は良かったのですが3G回線のキャリアレベルがギリギリであったことで、
本命は専用線IPを選択しました。
今回は普段の中継業務とは違う事が多くあり、
海外伝送を担当するスタッフやクライアントの方との確認メールは通常以上に多く、
ここでもネットツールに頼る作業が多かったことが記憶として残りました。
また本番日は現地確認用に携帯電話が非常に活躍したこともメリットのひとつでした。
本業務にあたり、多大なご協力を頂きました、
日本テレビ外報部の皆様、CVセンター様、汐留19 BOXのスタッフの方々に感謝致します。
少し内容が難しかったかもしれませんが、
この様にNiTRoではお客様からの様々な要望にお答えすべく、
日々進化しています!!
筆者