冬季大会歴代2位となる8個のメダルと、
たくさんの感動を日本に持ち帰ったソチオリンピック。
その放送の裏では、NiTRoの様々な奮闘がありました。
私達は約1ヶ月間ソチに滞在し、
多数の中継、取材を行いました。
そこには、「言語の壁」「時差」「機器の規格の差」「天候の差」「文化の差」など
普段の国内の仕事では意識することのない
様々な障壁がありました。
NiTRoは、
「世界の果てまでイッテQ!」「世界番付」などのレギュラー番組のロケ、
「サッカー・クラブワールドカップ」「レスリング世界選手権」などのスポーツ中継や
「24時間テレビ」の特番といった
海外における中継・取材の実績が豊富な集団です。
ソチという誰も訪れたことのないような土地でも、
スタジオや中継システムの構築から運用までを行い、
取材先では少しでも良い映像や音をとるために
外国人相手に積極的に交渉し、
他国のメディアとも協力しあいながら、
トラブルもなくすべての仕事を終えることができました。
(日本の時差に合わせて中継する様子)
時には、
雪や雨、気温の差や時差がある中でも、
忍耐強く撮影することもありました。
(悪天候の中撮影するカメラマン)
規格の異なる海外機器を
制作環境にうまく取り入れて
作業の効率化を図ることはもちろんですが、
今回のスタッフは、
海外や雪山など厳しい環境での生活に慣れた人も多く、
仕事だけでなく、生活面でも自分たちの経験と知識を活かしました。
雪山では登山用品を使いこなして
安全を重視して撮影を行いながらも、
現地の新鮮な食材で料理をつくり
栄養バランスを考えたりもしました。
その結果、厳しい環境下でも、
怪我人が出ることもなく、
全員健康な状態を維持し、
最後まで日本に現地の映像と音を届けることができました。
(地元食材で料理したサーモンと野菜のクリーム煮)
「言語の壁」についても、
NiTRoのスタッフは、英語だけでコミュニケーションを取るのではなく、
簡単なロシア語を自ら興味を持って勉強し、
やりとりを円滑にさせようと積極的でした。
また、韓国語やスペイン語を訳せるスタッフもいて、
それによって、取材を成功させた場面もありました。
それから、ソチオリンピックでは最新技術が活躍しました。
NiTRoのスタッフは、
スマートフォン、タブレットなどを普段から使いこなす人が多く、
新しい技術に対する探求精神も旺盛です。
これまで、取材スタッフへのスケジュールを伝える連絡手段と言えば、
電話やメールでしたが、
ソチオリンピックでは、
圧倒的にソーシャルネットワークサービスが主役となっていました。
現地では、Wi-Fiネットワークが非常に充実しており、
ホテル、スタジオや各競技会場においてもWi-Fiの使用できたので
ソーシャルネットワークサービスを用いることで、
文字だけでなく、画像も手軽に送れ、
情報を正確に、スピーディーに複数の人に伝達することができました。
さらに、相手が情報を確認したかどうかのチェックも
簡単にリアルタイムに行えます。
そのため、ソチでの電話の通話音質があまり良好ではなかったことや、
スタジオ、会場で音を発してはいけないことを考えると、
現場の環境には非常に適した連絡手段でした。
今回の経験を活かし、
私たちは、いかなる環境や時代の変化も超えて、
粘り強く確実な番組制作を実現したいと思います。
(筆者)