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被災地伊豆大島で感じたこと

2014.01.21 制作技術

NiTRoの報道技術部は、

日本テレビ報道局の3つの分野(取材、中継、スタジオ)を担っています。

今回は、その中の報道中継で

台風26号の被災地となった伊豆大島での経験談です。

私は、災害発生から6日後の10月22日に現地に行きました。

最初に中継地として選んだ場所は、土砂で覆われた市街地。

近くでは、土砂や瓦礫の撤去を急ぐ重機やトラックが行き交っていました。

道路も所々土砂で埋まっています。

中継をする為には道の縁石に沿ってカメラケーブルを敷設する必要があるので、縁石に溜まった土砂をシャベルで取り除ぞいたり、

晴れた日は乾いた土砂が砂埃となって舞うため、

機材の防塵対策を念入りにするなど、

普段の中継現場ではあまり気にしないことにも

気を配りながら作業しました。

私は、災害直後の現場に行くことは今回が初めてで、

少し戸惑いがありました。

どんな現場でも、私たちは配慮ある行動を心掛けなければなりません。

それは、私たちマスコミは、

迷惑な存在になることが多分にあると予想されるからです。

しかし、実際の現地では、

住民の方が溜まった土砂を掻き出している前を、

私たちが通ったところ、

「邪魔をしてすみませんね」と逆に謝られてしまいました。

邪魔をしているのは私達なのに

そう声を掛けられたことにショックを受け、

自分の立ち位置を改めて考えさせられました。

ときには煙たがられ、

何かと悪目立ちすることも多い私たちですが、

それでも、私たちは報道し続けます。

「現場の状況をもっと分かりやすく視聴者に伝えたい」

という想いがあるのと同時に、

私たちは"生"中継でしか伝えられないことを追い求めているからです。