NiTRoの報道技術部は、
日本テレビ報道局の3つの分野(取材、中継、スタジオ)を担っています。
今回は、その中の報道中継で
台風26号の被災地となった伊豆大島での経験談です。
私は、災害発生から6日後の10月22日に現地に行きました。
最初に中継地として選んだ場所は、土砂で覆われた市街地。
近くでは、土砂や瓦礫の撤去を急ぐ重機やトラックが行き交っていました。
道路も所々土砂で埋まっています。
中継をする為には道の縁石に沿ってカメラケーブルを敷設する必要があるので、縁石に溜まった土砂をシャベルで取り除ぞいたり、
晴れた日は乾いた土砂が砂埃となって舞うため、
機材の防塵対策を念入りにするなど、
普段の中継現場ではあまり気にしないことにも
気を配りながら作業しました。
私は、災害直後の現場に行くことは今回が初めてで、
少し戸惑いがありました。
どんな現場でも、私たちは配慮ある行動を心掛けなければなりません。
それは、私たちマスコミは、
迷惑な存在になることが多分にあると予想されるからです。
しかし、実際の現地では、
住民の方が溜まった土砂を掻き出している前を、
私たちが通ったところ、
「邪魔をしてすみませんね」と逆に謝られてしまいました。
邪魔をしているのは私達なのに
そう声を掛けられたことにショックを受け、
自分の立ち位置を改めて考えさせられました。
ときには煙たがられ、
何かと悪目立ちすることも多い私たちですが、
それでも、私たちは報道し続けます。
「現場の状況をもっと分かりやすく視聴者に伝えたい」
という想いがあるのと同時に、
私たちは"生"中継でしか伝えられないことを追い求めているからです。