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ニュースをほとんど見なかった私が報道編集に配属された一年間のハナシ。

2018.03.13 ポスプロ技術

今年も春が近づいてきました。私の入社2年目も終わろうとしています。
突然ですが、皆さんは普段ニュース番組をご覧になりますか? 私は学生の頃、ニュースを見ることはほとんどなく、もっぱらドラマやスポーツ中継ばかり見ていました。
今回は「ニュースをほとんど知らなかった私」が、昨年4月よりCVセンターに配属されてからの一年間について書きたいと思います。

■そもそもCVセンターって?
CVセンターは日本テレビの報道編集の中枢で、大きく分けて『収録』『編集』『送出』の3つのセクションがあります。

[素材を収録] → [それを元にわかりやすく編集] → [OAの進行に合わせてサブコンに送出]

この一連の業務をCVセンターでは、365日24時間体制で行っています。

■有事には大騒ぎ! 『収録』のハナシ。
CVでの業務の1つ目『収録』セクションでは、日本各地はもちろん、世界中から送られてくる素材の収録業務を行います。
有事のときには非常に慌ただしく、たとえば先日草津白根山噴火があったときなどは、業務のやりとりなど、おびただしい数の電話が飛び交いました。
その日に収録業務をしていた私も若干パニックになりながらも収録業務を行いました。

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  収録専用端末で素材情報の入力を行います

収録中の素材にはそれぞれ、「いつ」「どこで」「誰が撮影」した、「どういった素材」なのかという情報を入力します。これを入力しておくことで、編集時に検索する際の手間や時間が省かれます。
天災などのような有事の際は複数の回線で同時に並行して作業するので収録回線がパンク状態になるのと同時に、自分の頭の中もパンク状態になります。
録り逃しのないようにしながら、頭の中で情報を整理して入力する作業を行うことは非常に難しいです。


■個人作業?いやいやチームワークが重要! CV『編集』のハナシ。
『編集』と聞くと黙々と作業を行うものがほとんど。しかし、報道番組の編集がメインのCVセンターでは、ニュースの生放送になると非常に慌ただしくなります。

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news every. OA中の編集ブース  

突発的な事件や事故が起きた際は、限られた時間内でよりわかりやすく伝わるような映像の繋ぎを考え、よりクオリティが高いものを目指すので、編集は正確さとスピードの勝負です。
時間のない状況で追い込み編集をしている間、手はプルプルと震え、編集を終えるとドッと脂汗をかいていることに驚くことが多々あります。(笑)

また、状況によっては一つのVTRを自分ひとりだけでなく、ほかの編集マンと分担して編集を行うこともあり、編集マン同士が話し合いながらOAに向けて作業を進めます。
個人作業と思われがちな編集ですが、一本のVTRを複数人で作っていることによる違和感を視聴者に与えないように編集するチームワークがとても大切だと感じました。

■初めてのOAまでのハナシ。
冒頭にも書きましたが、私はニュースをこれまでほとんど見てきませんでした。次はそんな私が報道編集に配属されてOAに至るまでのお話です。

配属されてまず自分がしたことは部署の先輩方の名前を覚えること。
100人以上いる先輩を早く覚えることは本当に大変で、「初めまして!」と同じ人に2回言ってしまい、「この前も話したよ!」とツッコミをもらう、なんて恥ずかしい失敗もしたりしました。(笑)

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編集の研修ではお題となる素材をもらい、これを与えられた時間内に決められた尺(長さ)の映像に編集。編集が終わったら先輩からフィードバックをもらい、さらに直す。これを何度も繰り返します。ときにはすべてやり直しなんてことも・・・(笑)
それでも先輩たちは、自分がこうしたい!という意図だったら、どういった直しが必要なのかを的確に指導してくださり、そんな時には先輩たちのニュースの知識の量や素材に対する観点の広さ、表現の引き出しの多さにいつも圧倒され、憧れを感じます。

学ぶ」の語源は「真似ぶ(まねぶ)」といいますが、まさにその通りで、まずはOAや先輩方の編集をたくさん見て真似をしてみる。そこから編集の技術やニュースに関する知識を少しずつ増やしていきました。

配属から数か月、いよいよOAデビュー。
編集デスクがニュースの編集担当を振り分ける表に、初めて自分の名前が書かれたときのドキドキは今でも忘れられません。そしてOAされたとき、たった数十秒の映像でも自分の作ったものが全国のテレビに放送されていることを考えると、何とも言えない興奮と感動があったことを今でも覚えています。

■今後のハナシ。
今はまだ先輩方に助けて頂きながら、短いニュースを編集することしかできませんが、ゆくゆくはBGMやナレーションも含んだ長尺番組の編集ができるよう、早く戦力になれる事が今の目標です。
編集は「どのカットを選ぶか」「選んだカットをどのように繋げていくか」など、とても細かいことでも大きく印象が変わります。自分のセンスや感覚、ニュースに対する知識等が非常に問われます。今は自分で作ったものを先輩に見てもらい、たくさんダメ出しをもらいながら勉強して、少しでも引き出しを増やしていく毎日です。

報道番組だけでなく、色々な作品をたくさん見て多くを吸収し、視聴者にニュースをわかりやすく伝えながらも、自分らしさを出せる一人前の編集マンを目指して今後も頑張りたいと思います。

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筆者