ニュース

給湯室が、まさかのアナウンスブースに大改造!?

2017.11.20 ポスプロ技術

NiTRoポストプロダクションセンター(丸進ビル新館)4階にはE・Fスタジオに加え、GスタジオというMAスタジオがあります。
このGスタジオは、もともと「スタジオ収録やロケ収録での音声を事前に整音しておくための設備」として作られていたため、ナレーションを収録するアナウンスブースやMA作業に必須なVTRなど、通常のMAルームにある機材はなく、非常にコンパクトな構成になっていました。

そのGスタジオにこの度、新たにアナウンスブースを新設し、他のMAスタジオと同等な作業ができるスタジオとして生まれ変わりました!!

171121_01.jpgしかしリニューアルで問題となるのがアナウンスブースのスペースです。そこで目を付けたのが「給湯室」。Gスタジオには建物の構造上、給湯室が併設されています。
普段は整音スタジオとして運用していたため、給湯室は本来の目的ではなく、「機材倉庫」になっていました。
今回はこの給湯室のスペースを活用し、コンパクトな「1名用アナウンスブース」を構築しました。

丸進ビル新館は1962年に建てられ、給湯室はその後にリニューアルされて使用してきたスペースですが、隣にあるトイレからは水流音、さらに窓側からは道路の通行騒音があるなど、静音性が求められるアナウンスブースとしては、かなりの悪条件。

さらに限られた極小スペースに施す「遮音処理」や、クリアなナレーションを収録するための「音響処理」には、非常に高度な設計が必要となります。仮に広いスペースであれば、厚い遮音壁と二重防音扉を製作して高スペックな音場は容易に建築できます。しかしもともと給湯室であった幅約1.6m、奥行約2.0mという極小スペースでの建築は非常に困難となります。これら厳しい条件をクリアするために、音響スタジオ専門のベテラン建築士による「匠の技」で施工されました。

171121_02.jpg 171121_arrow_r.jpg 171121_03.jpg

まずは給湯室入口の枠を削り、防音用ドアを設置します。

171121_04.jpg 171121_05.jpg

床は「浮床工法」でコンクリートを流し込み防音効果を高め(写真左)、さらに壁面は石膏ボードとグラスウールで遮音します(写真右)。

171121_06.jpg 171121_arrow_r.jpg 171121_07.jpg

3週間前まで給湯室だった空間は、ナチュラルな木材を使った落ち着きのあるアナウンスブースに大変身!!

171121_08.jpg 171121_09.jpg

部屋の角には音響調整板(AGS)を設置し、極小スペースでも癖のない自然な音質でナレーション収録が行えます。

また、Gスタジオのコントロールルームも今回のリニューアルに伴い、スピーカーの設置方法を変更して反射音対策を強化、音響調整を行って正確な音声モニター環境を構築するなど、今までの整音専用室からMA作業ができる設備にグレードアップしました。


さらに映像モニターもサイズアップ! クライアント席からも視認性の高い機種となりました。
マイクやヘッドアンプなどの収録機材はNiTRo MA共通機材で音質を統一。他のMAスタジオで収録したナレーションの録り直しも可能になりました! 
パワーアップしたGスタジオを、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

171121_10.jpg










筆者