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4K制作、祝100本超え! リオ五輪4K追い込み編集も成功!

2016.08.26 ポスプロ技術

2016年4月末にNiTRoポスプロの新拠点が渋谷にオープンして早1年余り、NHK関連やスカパー!様、ひかりTV様などの4Kコンテンツ制作に携わらせて頂き、この8月でとうとう100本(76コンテンツ)を超えました! まだ100本?もう100本? やっと100本? いやいや、祝100本です。
NiTRoでは4K編集のワークフローを如何に現状のHD編集の流れに近づけるか...、日々、模索を繰り返しています。HDの場合はシンプルにVTRテープでの納品でしたが、4Kの場合は、納品先によってデータの形式がまちまちです。さらに納品メディアのSSD、HDD、それぞれに決められたフォーマットがあり、加えてLTOも出てきます。
ようやく4Kフローが確立出来たかと思っていると、次はBT.2020、さらにはHDR、それもPQだったりHLGだったりと、次から次に立ちはだかる新たなハードル。そんな状況でもメーカーは開発を進め、現場には予想だにしない新しいコーデックが持ち込まれるケースも少なくありません。データ管理・変換を行うデータラボや編集を行うスタッフは最新の情報を集め、経験を蓄積して対応しています。
その結果、当初はスポーツ中継の再編集やテロップの少ない紀行番組が多かったのですが、現在ではじっくりとオフライン編集から作り込むドキュメンタリーやテロップの多いバラエティなど、HDと変わらないジャンルのコンテンツも制作されるようになりました。これはやはり、祝100本と言うべきでしょう。

4K編集は変化・進化を続けており、まだまだ発展途上の段階です。NiTRo SHIBUYAでの実績が100本を超えたとはいえ、HD編集に比較して完成までの時間を要します。そんな中、直近のリオデジャネイロオリンピックで、4Kとしては極めて難しい条件下でのオンライン編集にチャレンジしました。それは、オンエアまでの時間が少ない"4K追い込み"作業です。
皆さん、ご存知でしょうか?この8月からNHKスーパーハイビジョン試験放送として4Kや8Kのコンテンツが放送されています。残念ながら8K受信機は一般にはまだ販売されていないため、視聴はパブリックビューイング会場や全国各地のNHK放送局に限られてしまいます。

今回の作業の流れは以下のとおりです。
image1.jpg日本の真ウラ、リオデジャネイロで開催された今回のオリンピックで、日本人がメダルを獲得した際に、現地でメダリストのインタビューが4Kで収録されます。地球の裏側からファイル伝送されてくる4KデータをNHKで受け取り、4Kのままダイレクトにオフライン編集された後、編集済みのデータがNiTRo SHIBUYAに搬入され、4Kオンライン編集としてのテロップ入れ作業、並行してMA作業も行いました。ナレーションを収録しMIX作業後、映像と音声を一本化して完成版を書き出して納品です。最終チェックimage2.jpgの技術試写をクリアすれば、無事、試験放送でオンエアされます。オフライン編集のデータ搬入から技術試写まで、短い場合は40時間程度しか無く、その翌日にはオンエアという切羽詰まった4Kでは初の"追い込み"作業です。
従来のHDテープ納品では、MAでのMIX作業が最終工程となり、作業終了時に納品物も出来上がります。しかし4Kの場合は「データ」納品です。前述のように映像・音声を一本化し、1クリップの動画データに書き出すのです。今回のような"追い込み"作業において、書き出す時間、書き出したデータに不具合が無いか、様々な工程において、事前にしっかりと検証を重ねて本番に備えた結果、30分のメダリストインタビュー4本と60分のインタビュー総集編を無事に放送する事ができました。

リオデジャネイロオリンピックでの日本のメダル獲得数は金12個、銀8個、銅21個という輝かしい活躍でした。そのメダルの数だけ、新たな4Kによる感動を伝えようと影ながら悪戦苦闘している数々の現場スタッフも、またメダルものです!

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NiTRo SHIBUYAスタッフ一同