現在、日本の裏側で繰り広げられているアスリートの熱い戦いは、日本テレビ系列で視聴者の皆さんに届けられています。日本テレビでは、リオデジャネイロオリンピックの競技映像や独自取材をCVセンターや特設の収録センター、さらにNiTRoのVP/ダビングルームなどでニュース番組や各情報番組、日本テレビ系列に向けた放送素材を収録しています。
何か所かで収録しているのには訳があります。
CVセンターとは日本テレビのニュース編集をしている部署ですが、ここでは素材収録から送出までをカバーしており、オリンピック競技映像もすべて収録しています。CVセンターは全てノンリニア化されたことにより、ファイル形式での収録となりますが、収録された素材は主にCVセンター内で編集しニュース番組に使用します。一方、収録センターではHDCAMテープとバックアップとしてXDCAMディスクで収録をしていますが、これらは主に情報番組で使用するためです。同様にNiTRoのVP/ダビングルームも情報番組のために収録をしていますが、情報番組は今でもテープ編集が多いため、テープでの収録は欠かせません。このようにシステムや素材の使用方法が違うために、収録場所も使い分けているということです。
収録センターは、オリンピック期間限定で設けられる収録専用の特設スペースでCVセンター内に設置されています。
リオデジャネイロから日本テレビまでは、競技映像が5回線、現地に設営した中継スタジオや現地での取材分を伝送する日本テレビ専用回線が2回線で構築されています。競技映像は毎日20時間、また日本テレビ専用回線は24時間体制で伝送されてきますが、それらを1日6人でシフトを組んで収録しています。
収録センター全体では、ピーク時には15人程が働いていますが、収録開始時間やテープ入れ替え時間もあらかじめ決まっており、また競技の音もほかの人に迷惑が掛からないようにヘッドホンを使っているので、作業は粛々と行われています。
日本とブラジルとの時差が12時間あり、昼夜が逆転しています。そのため深夜から明け方が収録センターの繁忙時間となるのですが、日本選手のメダルラッシュでスタッフの眠気も吹き飛んでしまう様です。
収録センターで使用しているHDCAMテープやXDCAMディスクは、7月25日にリポートされたものを使用しています。
今大会は序盤からメダルラッシュだった事も影響したのか、8月16日の大会11日目を終えた時点で、収録した素材はテープが約1000本、ディスクが約1300枚に達しており、素材総尺は950時間を超えました。
この他、CVセンターでもノンリニアサーバーで同じものを収録し、各番組で速報の映像として編集に使用しています。
またそのほかに、現地取材した素材を「ファイル転送」という方法で日本テレビのノンリニアサーバーに送る事ができるのですが、こちらも大会11日目の時点で、素材数440本、時間にして180時間分に達しています。
リオデジャネイロオリンピックも終盤に差し掛かっていますが、まだまだアスリート達の熱き魂を届けるべく収録センターも番組制作を支えていきます。
筆者