皆さんは、朝起きると何が一番気になりますか?
為替や株価ですか?それとも、電車やバスなどの交通情報?はたまた、朝食ですか?
人それぞれと思いますが、今日の天気を気にされる方って意外に多いのではないでしょうか。職場や学校に行くにしても、お家でお過ごしの方も、天気によってその日の気分が違ってきませんか?
NiTRoポスプロ技術センターメディア技術部のOA-CGチームは、日本テレビ内で気象情報を扱う唯一の部署=「気象センター」の業務を行い、皆さんに気象情報をお届けしています。
今回は、生活にも身近な気象情報が出来るまでをご紹介したいと思います。
気象センターが関わる番組は、早朝4時から始まる"Oha!4 NEWS LIVE"から夕方の"news every."、夜の"NEWS ZERO"など、日本テレビが地上波で放送しているニュース番組・情報番組はもちろんのこと、CS放送やCATV(ケーブルテレビ)を中心に24時間展開している"日テレNEWS24"やBS日テレの"深層NEWS"など多岐にわたります。さらに気象データは、テレビのリモコンのdボタンを押して表示されるデータ放送にも使用されています。
気象センターには、気象会社などから天気予報、気象衛星画像、天気図、"アメダス"など、様々な観測データが集まります。
気象衛星画像 予想天気図
皆さんも耳にしたことがある"アメダス"は、気象庁の無人観測施設である「地域気象観測システム」の通称です。日本全土に約1,300あるアメダス観測点から、気温、降水量、風向・風速、日照時間、積雪の観測データ(数値)が送られてきます。
これらの数値データを映像化していくのは、私たち気象センタースタッフの仕事です。データを単純に映像化するだけでなく、表現するものの形・大きさ・色・動きを考え、見やすく分かりやすい映像を心掛けています。
"アメダス"画面(気温、降水量、風向・風速、日照時間)
また、最近は、番組ごとに"イメージカラー"があるため、制作側からは番組のイメージカラーに合わせた画面の作成を依頼されます。例えば、news every.のイメージカラーはピンク、NEWS ZEROのイメージカラーはグリーンと決まっています。その一方、気象画面で使う画像には、太陽☀・雨☂・雲☁などの天気マークのように、誰もが想像する"形"・"色"を持ったものがあります。
これらと番組のイメージカラーをうまく組み合わせることが、画面を「デザインする」ということです。
news every. NEWS ZERO
また、放送時間に合わせて都合よくデータが配信されてくるわけではありません。放送の度に天気マークや気温などを手作業で画面に配置していたら、とても放送には間に合いません。そこで、配信される数値データを直ちに映像化するために、デザインした画面をコンピュータで作画できるようにします。ここで必要となるのが、コンピュータを動かすための「プログラム」を作る能力です。
日本テレビでは、67種類の天気マークを扱っており、たとえば"晴れ"は「1」、"曇"りは「21」、"雨"は「42」、という数字で表します。
そして、送られてきたデータが、「1」ならば、こちらでは"晴れ"の天気マークを置く、「42」なら"雨"の天気マークを置くという処理をするためのプログラムを書きます。これで、人が作業を行うよりもはるかに早く正確に画面を作ることができるようになる訳です。
さらに、もう一つ重要な業務が"運用"です。
運用とは、ディレクターや気象予報士の意図通りに表示できるように準備し、最新データに更新するとともに、データが間違っていないかのチェックを行い、送出をすることです。
気象コーナーの多くは生放送で行います。そこで不測の事態に備えるために、気象センターのシステムには、本線と予備の2系統を設けてあります。本線の操作はサブコン(副調整室)で担当ディレクターが行いますが、本線にトラブルが起こった場合はCGスタッフが予備に切り替え、そのあとの操作を行い放送を支えます。
天候が穏やかな場合は、OAまでの時間は淡々と流れます。
しかし、台風が日本列島に接近した場合などは大変です。台風のデータが更新されたら、視聴者が見やすいように画面レイアウトをデザインし直した上で放送します。
OAまでわずかな時間しか残されていない場合も多いですが、私たちは経験と知識を駆使して、冷静かつ的確に作業をして安心安全な防災情報の発信に貢献しています。
昨今、気象情報は災害に繋がる重要な情報として認識されています。そこで気象センターでは、いつどこで何が起こっても、その場その時の状況で判断し対応出来る体制を取っています。
大げさに聞こえるかもしれませんが、気象センターの業務は、「様々な気象情報を整理し、わかりやすく見せることで人の命を守っている」のです。
今後、日本テレビの気象情報をご覧になるときは、予報や降水確率、気温などのCG画面にも注目していただけるとありがたいです。
そして、防災という面で少しでも皆様のお役にたてれば幸せです。
筆者