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世界最高峰のプレーを世界にそしてお茶の間に!!

2015.12.16 ポスプロ技術

年末年始に向けて、様々なスポーツイベントが目白押しですが、
その中でも「FIFAクラブワールドカップ」(CWC)は、
世界5大陸の30万1000クラブが熾烈な戦いを勝ち抜き頂点を目指す、
年末を代表するビッグイベントとして定着しています。
今年は3年ぶりの日本での開催になりました。

ヨーロッパ代表F.C.バルセロナが誇る3人のスーパースター、
メッシ、スアレス、ネイマール(通称MSN)もそろって来日。
サッカーファンのみならず多くの視聴者が
「世界最高レベル」のプレーに釘付けになっています。

私たち日本テレビCVセンター内で業務を行うCV運用部は、
主にニュース番組やスポーツニュースなどの生放送向けの編集をしていますが、
野球やサッカー、ゴルフなどの
スポーツ中継をサポートする事も重要な業務の一つです。


CWC期間中、編集マンは
CVセンターと中継リモートサブ室でそれぞれスタンバイします。
CVセンターでは放送時間の延長が発生した際、
CWCが放送されなくなってしまう地域へ、
"試合の流れを抜粋" して送る為の「裏送り」編集を行っています。

1.jpg *CVセンター(裏送り担当)女性編集マン   

また、リモートサブでは試合中の"好プレー・得点シーン"を繋いだ
「ハイライト」を編集し、中継中の良きタイミングで何度か挿入します。

12月10日の開幕戦は、Jリーグの年間王者に輝き、
ゴール記録を塗り替えた佐藤寿人選手を中心としたサンフレッチェ広島と、
前回大会で3位のオセアニア代表のオークランド・シティ(ニュージーランド)でした。

リモートサブの編集マンは、試合中いつOAされても良いように、
常に試合をモニターし、これは!と思ったプレーがあれば、
サーバーに収録された中継映像にアクセスし、編集を始めます。
同時にディレクターは、原稿を書き上げます。

2.jpg
*リモートサブ(ハイライト担当)編集マン(奥)とディレクター

   

   

一方、CVセンターでも裏送り担当編集マンが、
ディレクターと相談しながら試合の要所をチョイスし、
映像を組み立てて行きます。

                   

試合は前半9分、サンフレッチェ広島が先制。
サッカー好きの編集マンであれば当然血が騒ぐわけですが、
気を付けなければならないのは、客観性と冷静さ。
ディレクターと「あうんの呼吸」で瞬時に判断し、映像を積み上げなければなりません。

後半25分には、貴重な2点目で広島がリードを広げ、断然優位に。
ハイライトはおおよその形、完成尺になってきました。
・・・と思いきや、試合終了間際にアクシデントが発生!
オークランドの岩田選手が相手選手と激突し流血。
3分後、岩田選手は包帯を巻いてピッチに戻りますが、
替えのユニホームがないため白いTシャツでプレーするという珍しい出来事が起こります。

ここで、編集マンとディレクターは得点シーンと負傷のシーン、
どれを使うか天秤にかけます。

その結果、
「日本を代表してCWCに出場している広島が勝ったという内容に注力すべきだ!」と判断。
得点シーンを優先し、残念ながら負傷したシーンは
ハイライトに組み込まないことにしました。
試合終了間際であっても注目すべきプレーやシーンがあれば使いたいのは当然の事です。
その場合、完成尺の関係で今まで編集した映像を捨て、差し替える勇気も必要になります。

3.jpg 4.jpg

編集マンは常に時間と完成尺に追われる作業(追い込み)を求められますが、
そんな時に殆どの編集マンが口にする言葉があります。
  「いやぁ~痺れますね~!」。
この「追い込み」を確実かつ安全に乗り切る事こそが編集マンの真骨頂です。

試合は広島が2-0で勝利!
  
無事にハイライトが放送され、、世界中にCWCが配信されました。
一方、裏送りは放送時間内に終了した為、陽の目を見る事はありませんでした。

5.jpg

しかし、CVセンターでの仕事はこれで終わりではありません。
試合終了と同時に「NEWS ZERO」のスポーツコーナーで流すニュースの編集がスタート。
さらに、期間中に連日放送される
「FIFAクラブワールドカップジャパン2015ハイライト」や、
朝の情報番組「ZIP!」で紹介するCWCコーナーに向けて
別の編集マンも準備を始めていました。
様々な番組を横断してスムーズに対応できるのもCVセンターの利点です。

いよいよF.C.バルセロナも登場し、CWCもこれから更に盛り上ります。
世界そしてお茶の間にミスなく、素晴らしいゴール、プレーを配信し続けていきます。

20151216172616.jpg 筆者