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編集マンも猛練習!~「ラグビーワールドカップ2015」の裏側で~

2015.10.15 ポスプロ技術

ワールドカップ史上初の3勝を挙げ、
ベスト8進出まであと一歩の快進撃を見せた、ラグビー日本代表。
帰国後もラグビーフィーバーに沸いています。

何と言っても初戦の南アフリカ戦。
ノーサイド寸前の逆転トライのシーンに、
思わず歓喜の声を上げた方も多かったのではないでしょうか?
この試合は、世界中で
「ラグビーワールドカップ史上 最大のジャイアント・キリング(大番狂わせ)」
と報じられ、大会序盤の話題をさらいました。

日本中、いや、世界中が熱狂したあのシーン。
「news every.」や「NEWS ZERO」「Going! Sports&News」などの番組で、
繰り返しご覧になった方も多かったと思います。

NiTRoが運用を受託している汐留日本テレビのCVセンターでは、
このような「スポーツの決定的瞬間」を分かり易く、
かつ感動が伝わるような編集を心掛けています。

世界三大スポーツイベントのひとつに数えられる「ラグビーワールドカップ」。
今大会でも、世界42億人がテレビの前に釘付けになりました。

野球やサッカーと違い、まだまだ日本では「競技の存在は知っているけど、
ルールやプレーの詳しいことは分からない」という声も聞かれるラグビー。

そこで、CVセンターでは、
大会開幕1ヶ月前から希望者に対して「ラグビー編集基礎講座」を5回に分けて開催。
のべ40人の編集マンが参加しました。
講師は、学生時代ラグビーに青春を捧げ、
「花園」「秩父宮」を夢見て日々スクラムを組んでいた、元ラガーマンのⅠ副部長。
自ら教材用VTRを作成編集し講義します。

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その内容は、

*ラグビーは、ボールがある場所から横に広がる
 「ゲインライン」という仮想のラインを挟んだ攻防を繰り広げるため、
 映像編集の際は、ゲインラインを意識して
 「ロング(俯瞰)」の映像を使うのが有効です。

*オフェンス側は、キック以外に前にパスを出してはいけません。
 ボールを持つ選手に対して、味方がほぼ横一列に並んでパスを後ろに回し、
 わざわざ狭いディフェンスをこじ開けトライを狙います。
 ここでも、ゲインラインがゴールに向かって行く様子が分かるように
 「ロング」の映像を使います。

*ゴール前の攻防では、トライの2メートル手前を意識して、
 グランドレベルからの「アップ」の映像に切り替え
 肉体がぶつかり合う音や、選手たちの息づかいが画面から伝わるように繋ぐことで、
 ラグビーの雄々しさに引き込まれつつ、痺れるようなトライのシーンを創りだします。

この様に、ルールの基礎、試合の流れとポイント、
視聴者の皆さんを最後まで惹き付けつつ、何を強調すべきか?など、
ラグビー編集のテクニックなどを研修しました。

ワールドカップラグビーも10月いっぱい続きます。
この研修終了後も各自がスポーツ編集を得意とする編集マンの指導を仰ぎながら、
自主トレーニングに励みました。

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残念ながら、日本代表はベスト8には進出できませんでしたが、
世界に名乗りを上げた3つの勝利が、
次回2019年の日本大会への礎になったことは確かです。
CVセンターの編集マンもこの経験を経て、
世界規模の大会に恥じない編集テクニックを引き継いでいます。

もちろん、プロ野球日本シリーズ、サッカーの「クラブワールドカップ」。
年末年始の高校サッカーや箱根駅伝など、
様々なスポーツイベント・大会の前にも研修会を行っていて、
各自が準備を怠りません。

「スポーツの決定的瞬間は、その映像の見せ方が全て」。
NiTRoのCVセンターにいる編集マンは、常に技術とセンスを磨いています。

 20151015103359.jpg 筆者