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巨人戦中継にNiTRoのCGが大活躍

2014.09.11 ポスプロ技術

NiTRoは、
巨人戦中継でバーチャルCGを送出しています。
このバーチャルコンテンツは、
東京ドームのグラウンド上に
守備位置の表示や特定の選手の守備範囲の表示、
ピッチャーVSバッターの対戦データを
空間に表示しています。

バーチャルCGを
実際の東京ドーム上に送出させるには、
仮想空間上(コンピュータ)に
東京ドームを構築させなければなりません。

例えば、実際のカメラを振ったとき、
コンピュータ上のカメラも同じ位置で
同じ移動量で動かなければなりません。
同じでなければCGと実際の映像がずれてしまいます。

実際のカメラと連動するには、
先ずはコンピュータで東京ドームをモデリングします
CG1.jpg

CGで再現するには、
東京ドームを実寸で計測する事が必要となります。
各ベースの位置やベース間、
マウンド位置などを計測します。
測定方法としては、
ミリ単位まで測定できる、このライカのレーザー測定器を使用します。

CG2.jpg

ホームベースからそれぞれのベース位置、
マウンド位置を計測し
その他のベースからの位置も計測します。

CG3.jpg

その作業をくりかえし、東京ドーム全体を計測していきます。

CG4.jpg
そして、バーチャルシステムに欠かせないのが、
このバーチャル用カメラ雲台システムです。
(※雲台とはカメラと三脚の間にあるカメラを固定する台)

CG5.jpg


このシステムにより、
カメラの上下左右の移動量データを
リアルタイムでコンピュータに送り、
バーチャル上のカメラと連動して
同じタイミングで再現することが出来るのです。
また、カメラのズームフォーカスは、
レンズ・エンコーダーという機材をカメラに取り付けて、
リアルタイムでコンピュータに送り、
仮想空間上のカメラと連動させています。

さらに、重要なのは使用するレンズの特性です。
ズームやフォーカスの値等を事前に計測し、
コンピュータに登録しておく必要があります。
(レンズが変わる度に計測します)
バーチャルコンテンツを実現する為には、
細かな計測が必要なのです。

(写真は、東京ドーム・サブコン内、バーチャル・オペレート風景)
CG6.jpg

東京ドームのプロ野球中継で
守備位置やピッチャーVSバッターの対戦データ、
内野スタンドビジョン、花火など、
東京ドームの空間にバーチャルCG映像が合成されて表示できているのは
細かい計測と準備があってのことなのです。
このCG・バーチャル技術は、
スポーツだけに限らず、イベントなどで活躍しています。

テレビだからこそできるスポーツ観戦を
NiTRoが生み出しています。

20140911104817.JPG筆者